ICCS 国際中国学研究センター

研究活動

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第44回研究会

  • 日時:2017年6月21日(水)16:30~18:00
  • 場所:厚生棟W32会議室
  • 報告:戸川 貴行(ICCS研究員)
  • テーマ:『建康中心の天下観と二至の影長について』


 本報告の要旨は、下記の通りである。洛陽(北緯34度)が天下の中心であるという根拠は、儒教経典たる『周礼』の記述にあった。そこには、八尺の表(ノーモン)をたてたとき、日影の長さが夏至に一尺五寸、冬至に一丈三尺を示す地こそ、天下の中心であり、その地は洛陽であると記されていた。一方、建康(北緯32度)では、夏至・冬至の影長が、一尺一寸七分・一丈一尺六寸二分にしかならなかった。従って、南朝では、建康における影長の値が、一尺五寸、一丈三尺に改変された。  報告後、高橋先生から、表(ノーモン)の語義、当時の天地観などについて、有益なコメントを頂いた。また王研究員から、『周礼』成立の時期と背景は、どのようなものであったのか、滕研究員から、影長の改変は、具体的にどのような人々に向けた政策であったのか、劉・李RAから江南政権の前後で影長はどのように考えられたのか等、興味深い質疑がなされた。これに対し、報告者が応答し、さらに今後の展望などを述べた。

第43回研究会

  • 日時:2017年5月24日(水)16:30~18:00
  • 場所:本館(研究棟)M1902会議室
  • 報告:王 広涛(ICCS研究員)
  • テーマ「政治的な正しさ」と「友好史観」——中国における「南京大虐殺」の語り方

 「南京大虐殺」というのは中国人にとって日常的な概念であり、日中戦争において中国国民被害のシンボル的な存在でもある。しかし、果たしてこのような記憶が虐殺発生直後にすでに形成されたのか、それとも何らかのきっかけで定着されてきたのだろうか。というのは、中国は戦争被害国であるものの、自国の被害に関する記憶は二転三転しており、時に完全に「忘却」してしまう時期もあった。「南京大虐殺」は、そうしたなかで最も代表的な例である。本稿では「南京大虐殺」が忘却されたり、想起されたりするという事実関係の解明と、その背後にある政治的な働きかけの分析を目的とする。  報告の後半では、高橋所長、ICCS研究員はコメントと質疑をし、これに対し王広涛氏は説明するとともに、今後の研究課題として進めると返答した。

第42回研究会

  • 日時:2017年4月26日(水)16:30~18:00
  • 場所:厚生棟W32会議室
  • 報告:滕 媛媛(ICCS研究員)
  • テーマ:『都市開発による失地農民の居住満足度について--中国南昌市を事例として』


本報告では、都市開発による失地農民の居住満足度の変化と決定要因を検討した。分析の結果、半数程度の失地農民は、居住環境全体が改善されたと感じたが、悪化したと感じた住民も1割以上存在した。この中、最も改善されたのが教育環境であり、最も悪化したのは安全性であった。また、住宅所在階数と公共施設(教育施設以外)について不満を有する失地農民が多かった。さらに、失地農民の住宅満足度の規定要因は、一般住民(住宅を購入した住民)の場合と異なる。失地農民において、男性、高年齢層、同居者の中に65歳以上の高齢者がいる及び1階に居住している回答者の住宅満足度が低下する傾向が見られた。失地農民の居住満足度を向上させるため、地域の治安状況を高めることやより合理的な農房補償制度を制定し、失地農民が自由に居住を選択できるようになることが重要であると考えられる。
 報告後、高橋先生から、サンプリングの方法とその説明、方策の提示などについて、王研究員から参考文献、モデルの説明変数の選択について、戸川研究員から失地農民の生計状況及び土地収用に対する態度について、興味深い質疑とコメントがなされた。これに対し、報告者が応答し、さらに今後の展望などを述べた。

第41回研究会

  • 日時:2017年3月24日(金)14:00~15:30
  • 場所:厚生棟W32会議室
  • 報告:戸川 貴行(ICCS研究員)
  • テーマ:『推古朝の迎賓儀礼と建康における儀礼再建』


 本報告では、隋の裴世清に対する推古朝の迎賓儀礼が、中国南朝の影響を受けていることを検討した。具体的にいえば、従来、当該儀礼は、遣隋使の小野妹子がもたらした隋の『江都集礼』という儀礼書にもとづいて作られたとされていたが、実際には南朝から百済をへて倭国にもたらされた元会儀礼の情報をもとに作られていたことを論じた。
 報告では主に①『日本書紀』にみえる推古朝の迎賓儀礼の特徴;②それと南朝梁の元会儀礼(元旦に君臣関係を中心として周辺諸国にまでその支配が及んでいることを表徴する儀礼)の共通点について分析を行った。
 報告後、高橋先生から、東晋南朝ができるきっかけとなった地球規模の温度低下の尺度がなぜ2℃なのか、本報告のキーワード5つ、推古朝の迎賓儀礼の特徴がもつ意味、報告で用いたユーラシア大陸の地図が90℃傾けられている理由などについて、有益なコメントを頂いた。また王研究員から、当該時代に騎馬遊牧民が活発な移動を始めた原因は温度低下のみなのか、なぜ倭国は北朝でなく南朝に遣使したのか、南朝の儀礼に仏教の影響は見られるのか、さらに滕研究員から、中国の皇帝祭祀は、いつ頃から始まり、いつ頃まで続くのか等、興味深い質疑がなされた。これに対し、報告者が応答し、さらに今後の展望などを述べた。

第40回研究会

  • 日時:2016年1月26日(火)14:30~16:00
  • 場所:厚生棟W32会議室
  • 報告:王 広涛(ICCSリサーチアシスタント)
  • テーマ:『中国の対日政策の言説空間(2012-2015)――国際政治・日本研究機関誌を中心に』


 本報告2012年以来、中国における対日政策の言説空間を検討した。具体的にいえば、中国における代表的な国際関係機関誌と日本研究専門誌を中心に、公刊論文の内容、類型、頻度を言説分析し、中国新指導体制の対日政策の変更等を読み取ることは本研究の主な目的である。
 報告では主に①雑誌論文の内容と対日政策との関連性;②雑誌の発行所、執筆陣出身と政府対日政策の距離;③学術機関誌の政治志向と学問志向の関係を中心に、国際政治・日本研究専門機関誌に対して言説分析を行った。
 報告後、高橋先生から対日政策の意味内容、理論研究と現状研究の区別、仮設と実証の一致関係について、田中研究員から統計分析の手法とアプローチについて、李博研究員から機関誌選択の基準、日中両国における研究分野の区別について、質疑とコメントがなされた。これに対して報告者は返答し、さらに今後の研究予定を述べた。

第39回研究会

  • 日時:2016年1月26日(火)14:30~16:00
  • 場所:厚生棟W32会議室
  • 報告:王 広涛(ICCSリサーチアシスタント)
  • テーマ:『日中和解の政治学』


  愛知大学国際中国学研究センターICCS若手研究会2015年度第11回例会は、2016年1月26日(火)に本学名古屋キャンパス厚生棟W32にて開催した。報告の前半に、王広涛氏は博士論文の構想『日中和解の政治学』のあらすじを簡単に述べ、博士論文の理論的構想に当たる「第二章」を報告した。
 報告では主に「和解の定義」「核心概念の抽出:寛容と記憶」「寛容と記憶の定義及び使用例」「日中関係における寛容と記憶の構図」などのテーマをめぐって議論し、日中関係における和解の可能性と障害はどこにあるのかという問題について詳しく検討した。王広涛は特に寛容の双務性(被害者一方的な赦しではなく、加害者も積極的に反省し、謝罪や賠償などの措置を取るべきである)、記憶と忘却の相関関係と国家アイデンティティ作りのための意義を強調している。
 報告の後半では、高橋所長、ICCS研究員・リサーチアシスタント及び名古屋大学国際開発研究科の聴講者方はコメントと質疑をし、これに対し王広涛氏は説明するとともに、今後の研究課題として進めると返答した。

第38回研究会

  • 日時:2015年12月15日(水)16:30~18:00
  • 場所:講義棟L210教室
  • 報告:李 博(ICCS研究員)
  • テーマ:『中国における産業構造変化と労働生産性の成長 -サービス業のシェア拡大による「ボーモル病」は存在したか?- 』


  愛知大学国際中国学研究センターICCS若手研究会第10回例会は、2015年12月15日(火)に本学名古屋キャンパス講義棟L210にて開催した。前半には、李博研究員は「中国における産業構造変化と労働生産性の成長-サービス業のシェア拡大による「ボーモル病」は存在したか?-」を題目にして、報告した。報告は基本的に李氏の現在執筆中の論文をもとにしており、産業構造変化と労働生産性成長の関係について、サービス業のシェア拡大の視点からから研究したものである。
 後半には、報告内容について、張氏は本研究の結果である内部効果と構造変化効果の定義と内訳、 田中氏は中国における経済成長の段階と中所得国の罠に落ちる可能性、中国におけるサービス業の位置づけ、地域ブロックの分け方およびそれによる分析結果への影響、王氏と安達氏は地域ブロックの分類方法特に重慶市の位置づけ、牛氏はサービス業の成長と競争の関係、高橋所長は労働生産性の計測における製造業とサービス業の違い、データの出所(年鑑ではなく、経済センサースを使用した方が良い)、中国におけるサービス業の定義と分類、分析手法(マクロ分析とミクロ分析の補完的関係)についてコメントと質問をし、李研究員は質問応答をしたとともに、今後の研究計画などについて説明した。

第37回研究会

  • 日時:2015年11月18日(水)16:30~18:00
  • 場所:厚生棟3階W31会議室
  • 報告:田中 周(ICCS研究員)
  • テーマ:『中国共産党による新疆の軍事統合』


  本報告は、1949年から1950年代半ばにかけて中国共産党が進めた新疆統合のうち、軍事力によって領域の統合を目指す「軍事統合」の試みに焦点をあてて論じる。
 新疆における軍事統合のプロセスは大きく二つの段階に分けられる。第一段階は1949年10月の人民解放軍の新疆進駐にはじまる、新疆全域への軍事展開と部隊配備に至る過程である。新疆に進駐した人民解放軍第一野戦軍の第二軍および第六軍は、中国共産党に帰順を示した国民党軍および民族軍を糾合し、1950年早々に部隊の再編が行わることとなる。第二段階は1954年の生産建設兵団設置に至るプロセスであり、第一段階で新疆各地に配備された人民解放軍の一部を兵団へ改編する措置が取られた。この新疆生産建設兵団の設置が一連のプロセスの山場であり、これをもって中国共産党による新疆の軍事統合が完了したと論じた。
 報告を受けて高橋先生、各研究員、各RAから貴重なコメント・質問がなされ、活発な議論が交わされた。

第36回研究会

  • 日時:2015年10月14日(水)16:30~18:30
  • 場所:厚生棟3階W31会議室
  • 報告:田中 マリア(ICCSリサーチアシスタント)
  • テーマ:『国際関係理論からみる東アジア地域秩序-過去を描写し、現在を解明し、未来を予測する-』


 本報告は執筆中の博士論文「国際関係理論からみる東アジア地域秩序-過去を描写し、現在を解明し、未来を予測する-」に関する発表である。概要は次のとおりである。
 まず「序論」部分では先行研究を整理しつつ課題を明らかにした。博士論文では、国際関係理論の視点からみる「国際システム・地域システム」と「国際秩序・地域秩序」の二つの主な概念に基づいて議論を行うが、一般にこのような議論は四つのレベル(①社会科学の哲学、②国際関係学のメタ理論、③国際関係理論の諸学派、④地域主義論)に分けることができる。しかしこれらのレベルには欠点が存在し、その欠点を解決するために各レベル、各研究分野で分析を行い、地域秩序を再概念化する必要性を主張した。
 以上の問題関心に基づいて、第一章「地域秩序の再概念化―批判的/科学的実在論の導入」、第二章「過去を描写:近世東アジアの地域秩序」、第三章「現在を解明(1):東アジア秩序と近代性の哲学的言説 」、第四章「現在を解明(2):東アジア地域秩序の現状」、「結論:未来を予測する」の各部分の成果と構想を報告した。
 報告を受けて高橋先生、各研究員、各RAから貴重なコメント・質問がなされ、活発な議論が交わされた。

第35回研究会

  • 日時:2015年9月30日(水)16:30~18:00
  • 場所:厚生棟3階W32会議室
  • 報告:有田 義弘(ICCSリサーチアシスタント)
  • テーマ:『中国の農業機械化・肥料・農薬使用技術の現状について』


 中国における農業機械化・肥料・農薬使用技術の現状について、主に統計データに基づき報告を行った。特に、農業機械化の現状について、農業機械工業年鑑に基づき、報告を行った。中国の農業においては、年々、機械化が進んでいる一方で、省別にニーズが異なるということがデータを用いて報告。また、中国における農業機械化の現状について、日本企業への電話調査の結果も踏まえて、報告を行った。参加者からは地域によって農業機械の台数の増加率が異なる要因は何かなどといった質問がなされた。また、最後の時間に、RAとしての課題について、RAの課題と本報告とを関連付けて進捗状況を報告した。

第34回研究会

  • 日時:2015年7月15日(水)16:30~18:00
  • 場所:厚生棟3階W31会議室
  • 報告:張 玲(ICCSリサーチアシスタント)
  • テーマ:『日本の公害教育政策過程に関する考察』


 2015 年7 月15 日に、ICCS 研究員及びRA の研究情報交流、研究の学び合いにより研究能力の向上のために、ICCS の所長である高橋五郎先生の指導の下で、ICCS 第6回若手研究会を実施した。 報告者の張玲は自分の研究課題である『日中環境教育政策の比較研究』の一環として、『日本の公害教育政策過程に関する考察』をテーマに研究報告を行った。
  1960-70 年代環境問題が深刻化していた日本において、「環境保護及び人間尊重」を基本とする日本の環境教育政策の確立過程を実証研究で分析した。研究結果としては当時日本の政策重心は経済・産業発展であり、政府は最初の段階で民間の要求を無視して、「環境と経済発展」との調和を提唱している環境教育政策を制定したが、野党・市民団体特にマスメディアの反対により政策方針を「環境保護・人間尊重」へと修正させた。この事例から中国でも新興メディア(ネインターネット)を通じて、情報発信・収集、意見表明によりネット世論を形成し、良い環境政策の制定に民主参加できる可能性を示された。
  参加者から大変良いコメントを頂き、本研究の欠如例えば日本における中央政府と地方政府の権力関係への分析が不足している、両国の政治・経済システムに対して細部にわたる分析が行ってない等の指摘があった。高橋先生は日本の公害政策の制定に関して、マスメディアに焦点を当てることを評価した上で、実証論証の手法及び分析枠組みがまた弱いことを指摘し、指導してくれた。
  今後はこういた指摘を念頭にいれ、研究内容の充実や欠如の補足を目指して研究を進みたい。

第33回研究会

  • 日時:2015年7月1日(水)16:30~18:00
  • 場所:講義棟2階L207教室
  • 報告:牛 革平(ICCS研究員)
  • テーマ:中国における腐敗・汚職問題について


 愛知大学国際中国学研究センターICCS若手研究会第5回例会は、2015年7月1日(月)、本学名古屋校舎講義棟2階207にて開催した。前半には、牛革平研究員は「中国における腐敗・汚職問題について」をテーマにて、報告した。後半には、参加者たちは古代中国の王朝交代の原因、腐敗問題を分析する方法、台湾民主と儒教との関係、古代におけると現代経済改革時代における腐敗の違い、腐敗に断罪の必要性、日本の汚職に関する法的定義、腐敗と権力闘争との関係、現政権の儒教やマルクス主義の提唱と反腐敗運動との関係、政治体制の改革と規範的な政治理論との関係、中国の学校教育における古文重視傾向、政治学研究のメタ理論などについて議論した。

第32回研究会

  • 日時:2015年6月17日(水)16:30~18:30
  • 場所:厚生棟3階W32会議室
  • 報告:王 広涛(ICCS・RA)
  • テーマ:戦争賠償問題と日本の対中国政策


 愛知大学国際中国学研究センターICCS若手研究会第4回例会は、2015年6月17日(水)に本学名古屋キャンパス厚生棟W32にて開催した。報告の前半に、王広涛氏は博士論文の構想(日中和解の政治学)を簡単に述べ、博士論文の一章に当たる「戦争賠償問題と日本の対中国政策」を報告した。
 報告では主に「戦争責任」という観点に基づいて賠償問題に関する日本側の政策過程、そして認識の構造を検証した。報告で日本政府は対外的に戦争責任を認めながら、戦争賠償の支給及び謝罪等に対して決して積極的ではないと結論付けた。その理由として国内経済、国民生活の水準そして国内政治(例えば、日中国交正常化の場合は親台湾派の反発)など取り上げられたが、これだけでは十分ではない。また、国交回復が必ずしも「友好関係」が保たれるという意味ではなく、「和解」の徹底的達成とも意味しなかった。その一つ重要な理由は、国交回復は単に「利益」の論理に従うことに対し、友好及び和解はむしろ「利益」を超える道徳上の認識に絡めるものであると、王広涛氏は指摘した。
 報告の後半では、高橋所長及びICCS研究員・RAたちはコメントと質疑をし、これに対し王広涛氏は説明するとともに、今後の研究課題として進めると返答した。

第31回研究会

  • 日時:2015年5月27日(水)16:30~18:30
  • 場所:厚生棟3階W32会議室
  • 報告:李 博(ICCS研究員)
  • テーマ:中国における産業構造変化と経済成長の関係


 愛知大学国際中国学研究センターICCS若手研究会第3回例会は、2015年5月27日(水)に本学名古屋キャンパス厚生棟W32にて開催した。前半には、李博研究員は「中国における産業構造変化と経済成長の関係」を題目にして、報告した。報告は基本的に李氏の博士論文をもとにしており、産業構造変化と経済成長(労働生産性成長)の関係を供給サイド、需要サイド、供給・需要の相互作用の視点から研究したものである。
 後半には、報告内容について、田中マリア氏は産業構造変化に対して国有企業の影響の有無、生産要素移動の硬直性問題、今後全要素生産性(TFP)を向上するための方策、王広涛氏は中国経済成長における収穫逓減問題、生産要素移動の硬直性の地域別差異および本研究におけるデータ欠損問題に対する対応、張玲氏は大分類3次産業の構造変化と経済成長率(実質GDP対前年成長率)の相関関係、高橋所長は本研究に使用したデータの出所、中国の資金流動・金融収支の産業構造変化への影響、本研究における産業分類の仕方についてコメントと質問をし、李研究員は質問応答をしたとともに、今後の研究計画などについて説明した。

第30回研究会

  • 日時:2015年4月30日(木)14:30~16:20
  • 場所:厚生棟3階W31会議室
  • 報告:田中周(ICCS研究員)
  • テーマ:中国辺境政策論:ウイグル族をめぐるイスラーム・テロと国家反テロ政策を事例として


 本報告はコウォジェイチク-田中マリア氏との共著論文「中国辺境政策論:ウイグル族をめぐるイスラーム・テロと国家反テロ政策を事例として」に関する発表である。
 本報告では、ウイグル族イスラーム過激派を、ウイグル族在外組織のより広い文脈の中で分析し、さらに中国政府の反テロ政策を分析した。加えて、重要な論点であるにもかかわらず十分な研究がなされてこなかった、中国の反テロ政策と辺境政策との関係を解明する事を目的とした。
 概要は次のとおりである。まず、テロに関する理論的諸問題を扱い、テーマ別に(一)テロと国家、(二)テロと歴史、(三)テロと宗教、(四)テロの諸理論、の四つに分類した。次に、中国の辺境政策に関連した主要問題を紹介し、国家の反テロ政策との関係を分析した。さらに(一)新疆における中国共産党の民族政策、(二)国家に対するウイグル族の社会的経済的な不平、(三)一九四九年以降の中国政府の支配に対するウイグル族の抵抗の歴史、(四)東トルキスタン・イスラーム運動(East Turkistan Islamic Movement: ETIM)とウイグル族ディアスポラの関係についての分析を通じて、ウイグル族分離主義の目的と本質を考察した。加えて、中国の反テロ政策を、(一)反テロ政策の構造、(二)新疆における反テロ戦略を構成する国内要素、(三)新疆における反テロ戦略を構成する国際要素、の三つの部分から分析した。結論は二つの部分からなり、(一)ウイグル族イスラーム・テロと中国の反テロ政策の二元的レベルの分析(dyadic level of analysis)を行い、(二)反テロ政策と辺境政策との間の相互依存メカニズムを解明することによって、中国の辺境政策を論じた。
 報告を受けて高橋先生、各研究員、各RAから貴重なコメント・質問がなされ、活発な議論が交わされた。

第29回研究会

  • 日時:2015年4月15日(水)16:30~17:30
  • 場所:ICCS事務室
  • 報告:牛革平(ICCS研究員)
  • テーマ:政治思想と政治構造―中国の政治的近代化の問題について


 愛知大学国際中国学研究センター2015年度第1回ICCS若手研究会例会は、2015年4月15日(水)、本学名古屋校舎厚生棟3階ICCS事務室にて開催した。前半は、牛革平研究員から「政治思想と政治構造―中国の政治的近代化の問題について」をテーマとする報告をおこなった。報告は2部に構成され、第1部は近代国民国家のモデルと古代中国国家との比較によって中国の政治的近代化の問題を探求し、第2部は、近代世界と古代中国におけるそれぞれ一番重要な政治哲学としてのリベラリズムと儒教を比較し、この二つの伝統の融合の可能性について論じた。後半には、李博研究員から「均質的な国民経済」や儒教における人民の政治参加の問題について、田中研究員からは儒教とリベラリズムの定義や近代「化」・「性」について、そして高橋所長は研究の時代背景、中国における国家論の欠如と「融合」という用語の問題について、それぞれコメントや質問がだされ、議論をおこなった。



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