ICCS 国際中国学研究センター

研究活動

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第50回研究会

  • 日 時:2019年9月18日(水)13:00~14:50
  • 場 所:厚生棟W31会議室
  • 報告1:張 玲(ICCS客員研究員)
  • テーマ:現代中国における女性像の変容―ファッションと身体表象を通して


 報告テーマ「現代中国における女性像の変容―ファッションと身体表象を通して」について持ち時間30分にて報告。
 本研究は中華人民共和国建国以来から現在までの、マスメディアにおける女性のファッションの変容を通して、その時代の女性像や身体意識及びその変容の過程、メカニズムを明らかにした。 報告後、周所長から総括とコメント・質問をいただいた。
 とくに、制服社会ではファッションが存在しているかどうか、そして男女平等の流れ、建国初期は硬直化されたが、それ以後の「男女平等」は果たして実現したかどうかについて、論証の確認および再考等について指摘し、対応の助言を頂いた。
 また、参加者の皆様からも幾つの指摘、例えば政治視点の深化、ファッション使用の心理意識の要因、そしてジェンダー構造に関する説明の不足等があり、大変有益的な示唆を頂いた。
 今回の報告会は報告者にとって、大変勉強となる報告会である。貴重な時間をくださる先生かた、仲間そして会務を準備してくださる皆様に感謝する。


  • 報告2:張 雅(ICCS RA)
  • テーマ:森三千代の「豹」の改作:「他者」から「異人」へ


 アンコール・ワットを見学した体験を記している森三千代の「豹」を中心に、彼女の目に映った「他者」の概念には組み込まれない「異人」の表象を検討した。報告の際に、まず、戦前と戦後における三千代の表象の相違を説明した。その上で、作品の登場人物としての豹の子と舞姫像をクローズアップし、三千代が描写する文明社会と「異界」にまたがる異人像を考察した。

 報告後、周所長から以下のコメントと質問をいただいた。具体的には、文学人類学の知識を文学の分野に導入する時際に、文化人類学の資料と先行研究も参考した方がいいと助言いただいた。また、戦前と戦後における日本社会の状況の相違がテクストへの影響についても、掘り下げるべきであると指摘していただいた。
 なお、参加者の皆さんからも、全体の発表の視点や研究対象である森三千代の著者情報、作品「豹」における猫にいじめられた豹の子の性質などのご質問をいただき、最後まで活発な議論を交わしていただいた。
 以上のことから、今回開催した発表会では参加の皆さんから御教示いただき、大変有意義な時間を過ごすことができた。そして、今後の論文の執筆にも大変役に立つと考えられる。

第49回研究会

  • 日 時:2019年7月10日(水)13:00~14:50
  • 場 所:本館(研究棟)M307教室
  • 報 告:范 新玉(ICCS RA)
  • テーマ:“些子景”“微型盆景”“多肉”ー審美視点から見る生活においての将来性


 報告テーマ「“些子景”“微型盆景”“多肉”ー審美視点から見る生活においての将来性」について持ち時間30分にて報告。
 革命開放以来、社会経済を発展しつつあり、私たちの生活に天変地異のような動きがあった。ほとんど人々の日常生活―衣、食、住、用、行などの基礎面の継続的な変革を伴う。本文は生活の中で実用性中国社会の審美意識の多様化傾向を掲示するために、“些子景““微型盆景”“多肉”の美文化を実践するについて初歩的な検討を行った。
 ・元代の“些子景”の解釈と発展断層要因について、それぞれ参考文献や資料の知見から解明した。
 ・フィールドワーク調査から見る“微型盆景”、事例を取り上げながら、“微型盆景”どのように生活の中で活用しているか明らかにした。
 ・オンラインフィールドワードの観察−−微型盆景から多肉へ 筆者は三つのQQグループに入った、オンラインでの観察によって、今ではこの「スローテンポ」の趣味が好きになって、年齢はます若くなってきていること、「多肉熱」は多肉の育ちが良くて、丁寧に保護しなくても、よく育つことができることが分かった。
 ・結論:微型景観芸術の魅力

 報告後、周所長から総括とコメント・質問をいただいた。
 とくに、報告内容で重要な元代の歴史について、資料など充実する必要があり、また古董品学と景観人類学視角の下でその具体的な理論の解明に向けるべきことを助言いただいた。
 また、参加者の皆様からも、文化の周縁性と中心文化の区別と多肉植物は性別性があるかどうか、いろいろな分野から助言をいただいた。
 以上のことから、今後の研究に活かせる大変有意義な報告会だったと考えられる。

第48回研究会

  • 日 時:2018年12月19日(水)13:00~15:00
  • 場 所:本館(研究棟)M308教室
  • 報告1:張 小月(ICCS RA)
  • テーマ:漢服の美学について——和服との比較を通じて


 本報告は日本の和服との比較考察を通じて、漢服運動における漢服の美を構築する時にあった問題点を解明しようとするものである。
 漢服運動の実践者は漢服が世の中でもっとも美しい衣装だと思っているが、社会では、漢服が非常に醜い、おかしい、さらに漢服を着る人たちが「群魔乱舞」などのように嘲笑、批判される。しかも、漢服が好きな人の中にも、漢服が客観的に美観性を欠如している思う人もいる。美に関する基準が主観的な感覚であるから、簡単に「美」と「醜」を判断できないと思うが、漢服の美が現代中国主流審美にあまり受けられないことは確かに事実である。漢服美学が話題にのぼる時、和服をいい例として比較することが多いと考える。本文は「美学」の理論に基づき、また、和服との比較を通じて、なぜ漢服の美が現代中国主流審美にあまり受け入れられないのか、どのように改善すればよいのかという問題を解明したいと考える。
  報告後、周星先生から「美学」に関する論理的な部分がもっと深めにすれば、説得力が上がるようになる上で非常に重要な助言をいただいた。それとともに、「醜学」という「美学」の反対面からの研究可能性など今後の研究に大変重要なご指導を受けていただきました。


  • 報告2:曽根 英秋(ICCS RA)
  • テーマ:中国におけるトヨタ経営の源流 西川秋次


 トヨタの中国事業展開は戦前から、上海の豊田紡織廠、豊田機械製造廠、華中豊田自動車、天津の北支自動車工業等が進出しており、中国における経営管理の方法については経験を積んできており、「トヨタの中国進出における経営行動の戦前と戦後の連続性」について、『愛知論叢105号』で「連続性が見られる」と分析結果を報告した。
 しかし、戦前の中国におけるトヨタの経営管理をどのような思想背景で、誰が展開したかの分析が不十分であり、より一層の深堀を試みる。そこで、西川秋次という大番頭に着目し、「中国における創成期のトヨタ式経営は西川秋次の実践躬行により建立した」という仮説を立て、トヨタ式経営管理の源流について、評価を試みる。トヨタの中国合弁事業の源流を分析することにより、日系企業の中国事業展開時の参考となることを期待するものである。
 本報告は主に、「トヨタ式経営とはどのようなものか」「戦前の中国における豊田進出事業の歴史」「戦前の中国における西川秋次の経営」「豊田紡織廠の労働運動からトヨタ式経営の分析」「豊田佐吉の思想の現在への継承」という課題で報告した。
 結果としては、1919年豊田佐吉は、訪米中に高峰博士から教わった民間外交を中国で実践したいという思いと、自動織機、環状織機完成のための資金調達を目的に、西川秋次を伴い半永住の決意で上海に渡り、自ら発明した織機で紡織業を興すための準備に取り掛かかり、佐吉の精神によるトヨタ式の経営が実践され、仮説は正しかったと筆者は考える。
 ①.佐吉と西川は一緒に半永住のつもりで上海へ赴任し、苦労をともに共有しており、西川は佐吉精神の経営(すなわち「豊田綱領」)を実践躬行した。
 ②.西川は、佐吉から経営を任され、1921年の豊田紡織廠設立から、1945年の会社消滅までの約30年の長期にわたり、上海に駐在し、佐吉の理想とする経営に努めた。
 ③.西川は、主要各社の役員を兼務し、会社設立から消滅までの長期間にわたり中国駐在役員のトップを歴任しトヨタ式経営を展開している。
 ④.1945年日本敗戦後も、佐吉の理想とする日本の紡織技術を中国へ移転することにより中国へ奉仕するという佐吉精神を実践するために中国に留まり、中国の戦後復興に尽力している。
 そして、豊田佐吉の精神である、「顧客第一主義」、「現地現物主義」、「自働化」、「物づくりは人づくり」等の考え方は、「豊田綱領」として残され、現在のトヨタグループ各社の精神的位置をしめ、受け継がれている。 トヨタはそれを「トヨタ基本理念」、「トヨタウェイ」に纏めなおし、世界のトヨタ社員の実践要領として活用している。

第47回研究会

  • 日 時:2018年11月28日(水)13:00~14:40
  • 場 所:本館(研究棟)M308教室
  • 報 告:劉 偉(ICCS RA)
  • テーマ:茶道と通過儀礼


 本報告は、茶道の稽古と茶会の視点から、茶道の非日常性と日常性、そして、茶会は現代人にとって何の役割を果たしているかを、通過儀礼という理論を使って、諸文献資料として検討したものである。
 具体的には、茶道の非日常性については、茶道具と茶室二つの視点から分析し、茶道は非日常性と日常性があり、非日常性空間で稽古することが結果を高まれることがわかりました。一方、日々の繰り返し稽古により、自然に日常に統合していることも分かりました。
 また、茶会の視点から主客が茶道具,礼儀作法を通じて、茶道に対する美意識、理解、考え方などをお互いに交流して、人間関係の「統合」通過儀礼である。
 発表後、周所長からターナーの「儀礼の通過」、茶道具と茶室についての時間と空間二次元の研究方法、稽古については、日本民俗学とパフィーマンス理論、身体の民俗学の展開方向など。また、曽根RAから茶会の準備とクリスモスの準備手続きからの比較研究方法と茶道の“道”と中国茶芸の“芸”の方向性。そして、徐先生は周りの茶道先生と茶道を習い人にインタビューという方法論。最後に、椎名先生から、仏教と禅宗からの研究可能性など今後の研究に大変重要なご指導を受けていただきました。

第46回研究会

  • 日 時:2018年11月7日(水)13:00~14:50
  • 場 所:本館(研究棟)M308教室
  • 報告1:椎名 一雄(ICCS研究員)
  • テーマ:秦漢時代の「庶人」


 本報告の要旨は、下記のとおりである。これまで秦漢時代の「庶人」は、一般民(老百姓)だと考えられていた。報告者は、まず最新の出土文字資料『嶽麓書院藏秦簡』の知見から、「庶人」=「傅(兵役・徭役・仕官に関連する手続き)から除外される者」=「兵役・徭役・仕官から除外される存在」を明らかにした。その上で、秦漢時代に特殊な「庶人」が設定された意義を明確にした。すなわち、奴婢や刑徒から「庶人」に解放されて郷里社会へ帰還できる制度を、秦が初めて創設した。それは、帰還する(させる)ことを望む人々の要望を汲み取って、一方的な支配ではなく郷里社会に受け入れられる専制権力にもとづく秦帝国の形成に結びつき、漢は秦の「庶人」制度を継承して王朝を誕生させた。 報告後、周星先生から「傅」の具体的な手続きや「庶人」制度の時代変遷を究明すべきことなど今後の研究を展開する上で非常に重要な助言をいただいた。また曽根RAから、制度の適用範囲(国家が把握している人口)との関連を如何に考えるのか?などの有意義な質問がなされた。さらに、外部研究員の安達氏から、身分と税役の密接な関係について重要な指摘を受けた。これに対して、報告者が応答し、さらに今後の展望を述べた。


  • 報告2:林 涛(ICCS RA)
  • テーマ:民泊政策をめぐる攻防


 今回の発表は最近メディアに登場率がとても高い「民泊」問題についての内容であった。民泊制度関連の動きのまとめから、日本政府、各自治体、世論の「民泊」に対する姿勢の変化を振り返りつつ、現在「民泊」が日本国内で苦境に立つ原因の分析をしてみた。日本民泊の歴史についても調べてみた。更に諸外国の民泊政策現状との比較をし、現在日本の民泊規制制度の是非を検討した。
 実際に愛知大学のそばにある民泊経営者への聞き取り調査の結果を通して、現場の生の声と政府自治体の制度の不備などを指摘してみた。
 発表後、周所長より「日本の民泊の起源である1964年東京オリンピックのホームステイ、そして2008年の北京オリンピックの外国人向けサービスの向上など、日中間共通のメンツ文化を確認することができる」とのご感想、徐涛ICCS研究員より学会発表の際、配布資料についてのご指摘、曽根RAより「都市にある安価傾向の民泊と地方にある体験型、地域活性化に繋がる民泊を分けて考える必要がある」とのご指摘をそれぞれ頂いた。これらのようなアドバイスは今後発表者の博士論文作成、また研究活動に生かされると思われる。

第45回研究会

  • 日 時:2018年7月25日(水)13:00~15:00
  • 場 所:厚生棟W31会議室
  • 報告1:徐 涛(ICCS研究員)
  • テーマ:改革開放以降中国の世界認識と国際秩序観の変遷
          ―党大会政治報告(1977~2017)の内容分析を中心に―


 本報告は、改革開放以降の中国共産党全国代表大会(以下、党大会)における政治報告の内容分析を通じて、中国指導部の世界認識と国際秩序観の変容過程を検討する。党大会の政治報告、とくに対外政策に関する部分は、国際情勢に対する中国の認識や中国の対外方針を内外に示すものであり、中国の世界認識と対外政策を理解するうえで重要な材料となる。
 具体的には、1977年~2017年までの党大会の政治報告から、中国の世界認識に関連するキーワード(「第三世界」、「帝国主義」、「覇権主義」、「強権政治」、「世界平和」、「国際新秩序」、「国際秩序」、「総合国力」、「多極化」、「グローバル化」、「共同利益」、「多国間外交/枠組み」、「周辺」、「区域合作」、「国際関係の民主化」、「グローバル・ガバナンス」、「人類運命共同体」、「中華民族」など)を抽出し、その登場頻度や使われる文脈、時代状況を分析して、中国の世界認識の変遷を理解する。
 中国の党大会に対する内容分析を踏まえ、本報告は以下の結論を提示した。中国の世界認識は、(1)革命者的世界認識から、現実主義的発展途上国の世界認識へ(1977~1992)、(2)現実主義的発展途上国の世界認識から、協調的新興大国の世界認識へ(1992~2012)、(3)協調的新興大国の世界認識から、国際秩序をリードする強国の世界認識へ(2012~2017年)の三段階を経て変容してきたと思われる。


  • 報告2:曽根 英秋(ICCS RA)
  • テーマ:中国におけるトヨタ合弁事業の展開と経営の諸課題


 本報告はトヨタ自動車の中国合弁事業の展開について経営上の諸課題を進出段階ごとに分析したもので、日系企業の中国事業展開時の参考となることを期待するものである。
 第一段階として、1995年から2000年代初期までの合弁事業については、資金も技術もない中国側合弁相手先と、中国進出に出遅れなんとか足がかりを築きたいトヨタの対等合弁であり、中国側の現物出資による過剰資本金、販売体系の不備からくる債権回収遅れ、合弁相手先人員の引き継ぎ等の問題を提議している。これは、単にトヨタの合弁事業に止まらず、外資自動車メーカーで最初に撤退した広州プジョーの合弁事業にも相似性が見られ、当時の合弁事業の普遍的問題であることが判る。
 第二段階としては2000年代中頃から現在に至るまでのトヨタ車両合弁事業の事例研究では、中国自動車投資法令上から第一汽車集団、広州汽車集団との二系列の合弁形態で、販売、R&D、人事面で股先状態を起因とする重複投資が発生している、また、2017年のトヨタ車の世界販売台数シェアは10.7%であるが、中国はその半分以下の4.5%と低迷しており劣位要因分析をし、中国自動車市場の変化に追随できておらず、スピード経営の問題について指摘している。
 第三段階としては2016年以降の電動車を中心とする新エネルギー車政策が急速に進展する自動車新時代において、中国におけるトヨタHEV戦略と中国新エネ車政策、及び外資出資比率規制の廃止と影響について分析を加えている。
 トヨタ中国合弁事業を評価をすると、第一段階の初期合弁の経験を反面教師として、その後の合弁事業の経営管理面に反映しており、経路依存性が見られる。第二段階の現在の第一汽車、広州汽車合弁から起因する股先状態については、外資出資比率規制の廃止(2022年)後に大きな変化が見込まれる。第三段階の新エネ車を中心とする自動車新時代においては、トヨタの得意とするHEV車は新エネに該当せず、苦しいスタートとなっている。中国は世界一の自動車販売国であり、トヨタも劣勢を挽回すべく2018年に生産能力の増強等の対策を実施しているが、トヨタが中国で世界並みシェアを獲得するためには大きな乖離があり動向を注目したい。

第44回研究会

  • 日時:2017年6月21日(水)16:30~18:00
  • 場所:厚生棟W32会議室
  • 報告:戸川 貴行(ICCS研究員)
  • テーマ:建康中心の天下観と二至の影長について


 本報告の要旨は、下記の通りである。洛陽(北緯34度)が天下の中心であるという根拠は、儒教経典たる『周礼』の記述にあった。そこには、八尺の表(ノーモン)をたてたとき、日影の長さが夏至に一尺五寸、冬至に一丈三尺を示す地こそ、天下の中心であり、その地は洛陽であると記されていた。一方、建康(北緯32度)では、夏至・冬至の影長が、一尺一寸七分・一丈一尺六寸二分にしかならなかった。従って、南朝では、建康における影長の値が、一尺五寸、一丈三尺に改変された。  報告後、高橋先生から、表(ノーモン)の語義、当時の天地観などについて、有益なコメントを頂いた。また王研究員から、『周礼』成立の時期と背景は、どのようなものであったのか、滕研究員から、影長の改変は、具体的にどのような人々に向けた政策であったのか、劉・李RAから江南政権の前後で影長はどのように考えられたのか等、興味深い質疑がなされた。これに対し、報告者が応答し、さらに今後の展望などを述べた。

第43回研究会

  • 日時:2017年5月24日(水)16:30~18:00
  • 場所:本館(研究棟)M1902会議室
  • 報告:王 広涛(ICCS研究員)
  • テーマ「政治的な正しさ」と「友好史観」——中国における「南京大虐殺」の語り方

 「南京大虐殺」というのは中国人にとって日常的な概念であり、日中戦争において中国国民被害のシンボル的な存在でもある。しかし、果たしてこのような記憶が虐殺発生直後にすでに形成されたのか、それとも何らかのきっかけで定着されてきたのだろうか。というのは、中国は戦争被害国であるものの、自国の被害に関する記憶は二転三転しており、時に完全に「忘却」してしまう時期もあった。「南京大虐殺」は、そうしたなかで最も代表的な例である。本稿では「南京大虐殺」が忘却されたり、想起されたりするという事実関係の解明と、その背後にある政治的な働きかけの分析を目的とする。  報告の後半では、高橋所長、ICCS研究員はコメントと質疑をし、これに対し王広涛氏は説明するとともに、今後の研究課題として進めると返答した。

第42回研究会

  • 日時:2017年4月26日(水)16:30~18:00
  • 場所:厚生棟W32会議室
  • 報告:滕 媛媛(ICCS研究員)
  • テーマ:都市開発による失地農民の居住満足度について--中国南昌市を事例として


本報告では、都市開発による失地農民の居住満足度の変化と決定要因を検討した。分析の結果、半数程度の失地農民は、居住環境全体が改善されたと感じたが、悪化したと感じた住民も1割以上存在した。この中、最も改善されたのが教育環境であり、最も悪化したのは安全性であった。また、住宅所在階数と公共施設(教育施設以外)について不満を有する失地農民が多かった。さらに、失地農民の住宅満足度の規定要因は、一般住民(住宅を購入した住民)の場合と異なる。失地農民において、男性、高年齢層、同居者の中に65歳以上の高齢者がいる及び1階に居住している回答者の住宅満足度が低下する傾向が見られた。失地農民の居住満足度を向上させるため、地域の治安状況を高めることやより合理的な農房補償制度を制定し、失地農民が自由に居住を選択できるようになることが重要であると考えられる。
 報告後、高橋先生から、サンプリングの方法とその説明、方策の提示などについて、王研究員から参考文献、モデルの説明変数の選択について、戸川研究員から失地農民の生計状況及び土地収用に対する態度について、興味深い質疑とコメントがなされた。これに対し、報告者が応答し、さらに今後の展望などを述べた。

第41回研究会

  • 日時:2017年3月24日(金)14:00~15:30
  • 場所:厚生棟W32会議室
  • 報告:戸川 貴行(ICCS研究員)
  • テーマ:推古朝の迎賓儀礼と建康における儀礼再建


 本報告では、隋の裴世清に対する推古朝の迎賓儀礼が、中国南朝の影響を受けていることを検討した。具体的にいえば、従来、当該儀礼は、遣隋使の小野妹子がもたらした隋の『江都集礼』という儀礼書にもとづいて作られたとされていたが、実際には南朝から百済をへて倭国にもたらされた元会儀礼の情報をもとに作られていたことを論じた。
 報告では主に①『日本書紀』にみえる推古朝の迎賓儀礼の特徴;②それと南朝梁の元会儀礼(元旦に君臣関係を中心として周辺諸国にまでその支配が及んでいることを表徴する儀礼)の共通点について分析を行った。
 報告後、高橋先生から、東晋南朝ができるきっかけとなった地球規模の温度低下の尺度がなぜ2℃なのか、本報告のキーワード5つ、推古朝の迎賓儀礼の特徴がもつ意味、報告で用いたユーラシア大陸の地図が90℃傾けられている理由などについて、有益なコメントを頂いた。また王研究員から、当該時代に騎馬遊牧民が活発な移動を始めた原因は温度低下のみなのか、なぜ倭国は北朝でなく南朝に遣使したのか、南朝の儀礼に仏教の影響は見られるのか、さらに滕研究員から、中国の皇帝祭祀は、いつ頃から始まり、いつ頃まで続くのか等、興味深い質疑がなされた。これに対し、報告者が応答し、さらに今後の展望などを述べた。

第40回研究会

  • 日時:2016年1月26日(火)14:30~16:00
  • 場所:厚生棟W32会議室
  • 報告:王 広涛(ICCSリサーチアシスタント)
  • テーマ:中国の対日政策の言説空間(2012-2015)――国際政治・日本研究機関誌を中心に


 本報告2012年以来、中国における対日政策の言説空間を検討した。具体的にいえば、中国における代表的な国際関係機関誌と日本研究専門誌を中心に、公刊論文の内容、類型、頻度を言説分析し、中国新指導体制の対日政策の変更等を読み取ることは本研究の主な目的である。
 報告では主に①雑誌論文の内容と対日政策との関連性;②雑誌の発行所、執筆陣出身と政府対日政策の距離;③学術機関誌の政治志向と学問志向の関係を中心に、国際政治・日本研究専門機関誌に対して言説分析を行った。
 報告後、高橋先生から対日政策の意味内容、理論研究と現状研究の区別、仮設と実証の一致関係について、田中研究員から統計分析の手法とアプローチについて、李博研究員から機関誌選択の基準、日中両国における研究分野の区別について、質疑とコメントがなされた。これに対して報告者は返答し、さらに今後の研究予定を述べた。

第39回研究会

  • 日時:2016年1月26日(火)14:30~16:00
  • 場所:厚生棟W32会議室
  • 報告:王 広涛(ICCSリサーチアシスタント)
  • テーマ:日中和解の政治学


  愛知大学国際中国学研究センターICCS若手研究会2015年度第11回例会は、2016年1月26日(火)に本学名古屋キャンパス厚生棟W32にて開催した。報告の前半に、王広涛氏は博士論文の構想『日中和解の政治学』のあらすじを簡単に述べ、博士論文の理論的構想に当たる「第二章」を報告した。
 報告では主に「和解の定義」「核心概念の抽出:寛容と記憶」「寛容と記憶の定義及び使用例」「日中関係における寛容と記憶の構図」などのテーマをめぐって議論し、日中関係における和解の可能性と障害はどこにあるのかという問題について詳しく検討した。王広涛は特に寛容の双務性(被害者一方的な赦しではなく、加害者も積極的に反省し、謝罪や賠償などの措置を取るべきである)、記憶と忘却の相関関係と国家アイデンティティ作りのための意義を強調している。
 報告の後半では、高橋所長、ICCS研究員・リサーチアシスタント及び名古屋大学国際開発研究科の聴講者方はコメントと質疑をし、これに対し王広涛氏は説明するとともに、今後の研究課題として進めると返答した。

第38回研究会

  • 日時:2015年12月15日(水)16:30~18:00
  • 場所:講義棟L210教室
  • 報告:李 博(ICCS研究員)
  • テーマ:中国における産業構造変化と労働生産性の成長 -サービス業のシェア拡大による「ボーモル病」は存在したか?-


  愛知大学国際中国学研究センターICCS若手研究会第10回例会は、2015年12月15日(火)に本学名古屋キャンパス講義棟L210にて開催した。前半には、李博研究員は「中国における産業構造変化と労働生産性の成長-サービス業のシェア拡大による「ボーモル病」は存在したか?-」を題目にして、報告した。報告は基本的に李氏の現在執筆中の論文をもとにしており、産業構造変化と労働生産性成長の関係について、サービス業のシェア拡大の視点からから研究したものである。
 後半には、報告内容について、張氏は本研究の結果である内部効果と構造変化効果の定義と内訳、 田中氏は中国における経済成長の段階と中所得国の罠に落ちる可能性、中国におけるサービス業の位置づけ、地域ブロックの分け方およびそれによる分析結果への影響、王氏と安達氏は地域ブロックの分類方法特に重慶市の位置づけ、牛氏はサービス業の成長と競争の関係、高橋所長は労働生産性の計測における製造業とサービス業の違い、データの出所(年鑑ではなく、経済センサースを使用した方が良い)、中国におけるサービス業の定義と分類、分析手法(マクロ分析とミクロ分析の補完的関係)についてコメントと質問をし、李研究員は質問応答をしたとともに、今後の研究計画などについて説明した。

第37回研究会

  • 日時:2015年11月18日(水)16:30~18:00
  • 場所:厚生棟3階W32会議室
  • 報告:田中 周(ICCS研究員)
  • テーマ:中国共産党による新疆の軍事統合


  本報告は、1949年から1950年代半ばにかけて中国共産党が進めた新疆統合のうち、軍事力によって領域の統合を目指す「軍事統合」の試みに焦点をあてて論じる。
 新疆における軍事統合のプロセスは大きく二つの段階に分けられる。第一段階は1949年10月の人民解放軍の新疆進駐にはじまる、新疆全域への軍事展開と部隊配備に至る過程である。新疆に進駐した人民解放軍第一野戦軍の第二軍および第六軍は、中国共産党に帰順を示した国民党軍および民族軍を糾合し、1950年早々に部隊の再編が行わることとなる。第二段階は1954年の生産建設兵団設置に至るプロセスであり、第一段階で新疆各地に配備された人民解放軍の一部を兵団へ改編する措置が取られた。この新疆生産建設兵団の設置が一連のプロセスの山場であり、これをもって中国共産党による新疆の軍事統合が完了したと論じた。
 報告を受けて高橋先生、各研究員、各RAから貴重なコメント・質問がなされ、活発な議論が交わされた。

第36回研究会

  • 日時:2015年10月14日(水)16:30~18:30
  • 場所:厚生棟3階W31会議室
  • 報告:田中 マリア(ICCSリサーチアシスタント)
  • テーマ:国際関係理論からみる東アジア地域秩序-過去を描写し、現在を解明し、未来を予測する-


 本報告は執筆中の博士論文「国際関係理論からみる東アジア地域秩序-過去を描写し、現在を解明し、未来を予測する-」に関する発表である。概要は次のとおりである。
 まず「序論」部分では先行研究を整理しつつ課題を明らかにした。博士論文では、国際関係理論の視点からみる「国際システム・地域システム」と「国際秩序・地域秩序」の二つの主な概念に基づいて議論を行うが、一般にこのような議論は四つのレベル(①社会科学の哲学、②国際関係学のメタ理論、③国際関係理論の諸学派、④地域主義論)に分けることができる。しかしこれらのレベルには欠点が存在し、その欠点を解決するために各レベル、各研究分野で分析を行い、地域秩序を再概念化する必要性を主張した。
 以上の問題関心に基づいて、第一章「地域秩序の再概念化―批判的/科学的実在論の導入」、第二章「過去を描写:近世東アジアの地域秩序」、第三章「現在を解明(1):東アジア秩序と近代性の哲学的言説 」、第四章「現在を解明(2):東アジア地域秩序の現状」、「結論:未来を予測する」の各部分の成果と構想を報告した。
 報告を受けて高橋先生、各研究員、各RAから貴重なコメント・質問がなされ、活発な議論が交わされた。

第35回研究会

  • 日時:2015年9月30日(水)16:30~18:00
  • 場所:厚生棟3階W32会議室
  • 報告:有田 義弘(ICCSリサーチアシスタント)
  • テーマ:『中国の農業機械化・肥料・農薬使用技術の現状について』


 中国における農業機械化・肥料・農薬使用技術の現状について、主に統計データに基づき報告を行った。特に、農業機械化の現状について、農業機械工業年鑑に基づき、報告を行った。中国の農業においては、年々、機械化が進んでいる一方で、省別にニーズが異なるということがデータを用いて報告。また、中国における農業機械化の現状について、日本企業への電話調査の結果も踏まえて、報告を行った。参加者からは地域によって農業機械の台数の増加率が異なる要因は何かなどといった質問がなされた。また、最後の時間に、RAとしての課題について、RAの課題と本報告とを関連付けて進捗状況を報告した。

第34回研究会

  • 日時:2015年7月15日(水)16:30~18:00
  • 場所:厚生棟3階W31会議室
  • 報告:張 玲(ICCSリサーチアシスタント)
  • テーマ:『日本の公害教育政策過程に関する考察』


 2015 年7 月15 日に、ICCS 研究員及びRA の研究情報交流、研究の学び合いにより研究能力の向上のために、ICCS の所長である高橋五郎先生の指導の下で、ICCS 第6回若手研究会を実施した。 報告者の張玲は自分の研究課題である『日中環境教育政策の比較研究』の一環として、『日本の公害教育政策過程に関する考察』をテーマに研究報告を行った。
  1960-70 年代環境問題が深刻化していた日本において、「環境保護及び人間尊重」を基本とする日本の環境教育政策の確立過程を実証研究で分析した。研究結果としては当時日本の政策重心は経済・産業発展であり、政府は最初の段階で民間の要求を無視して、「環境と経済発展」との調和を提唱している環境教育政策を制定したが、野党・市民団体特にマスメディアの反対により政策方針を「環境保護・人間尊重」へと修正させた。この事例から中国でも新興メディア(ネインターネット)を通じて、情報発信・収集、意見表明によりネット世論を形成し、良い環境政策の制定に民主参加できる可能性を示された。
  参加者から大変良いコメントを頂き、本研究の欠如例えば日本における中央政府と地方政府の権力関係への分析が不足している、両国の政治・経済システムに対して細部にわたる分析が行ってない等の指摘があった。高橋先生は日本の公害政策の制定に関して、マスメディアに焦点を当てることを評価した上で、実証論証の手法及び分析枠組みがまた弱いことを指摘し、指導してくれた。
  今後はこういた指摘を念頭にいれ、研究内容の充実や欠如の補足を目指して研究を進みたい。

第33回研究会

  • 日時:2015年7月1日(水)16:30~18:00
  • 場所:講義棟2階L207教室
  • 報告:牛 革平(ICCS研究員)
  • テーマ:中国における腐敗・汚職問題について


 愛知大学国際中国学研究センターICCS若手研究会第5回例会は、2015年7月1日(月)、本学名古屋校舎講義棟2階207にて開催した。前半には、牛革平研究員は「中国における腐敗・汚職問題について」をテーマにて、報告した。後半には、参加者たちは古代中国の王朝交代の原因、腐敗問題を分析する方法、台湾民主と儒教との関係、古代におけると現代経済改革時代における腐敗の違い、腐敗に断罪の必要性、日本の汚職に関する法的定義、腐敗と権力闘争との関係、現政権の儒教やマルクス主義の提唱と反腐敗運動との関係、政治体制の改革と規範的な政治理論との関係、中国の学校教育における古文重視傾向、政治学研究のメタ理論などについて議論した。

第32回研究会

  • 日時:2015年6月17日(水)16:30~18:30
  • 場所:厚生棟3階W32会議室
  • 報告:王 広涛(ICCS・RA)
  • テーマ:戦争賠償問題と日本の対中国政策


 愛知大学国際中国学研究センターICCS若手研究会第4回例会は、2015年6月17日(水)に本学名古屋キャンパス厚生棟W32にて開催した。報告の前半に、王広涛氏は博士論文の構想(日中和解の政治学)を簡単に述べ、博士論文の一章に当たる「戦争賠償問題と日本の対中国政策」を報告した。
 報告では主に「戦争責任」という観点に基づいて賠償問題に関する日本側の政策過程、そして認識の構造を検証した。報告で日本政府は対外的に戦争責任を認めながら、戦争賠償の支給及び謝罪等に対して決して積極的ではないと結論付けた。その理由として国内経済、国民生活の水準そして国内政治(例えば、日中国交正常化の場合は親台湾派の反発)など取り上げられたが、これだけでは十分ではない。また、国交回復が必ずしも「友好関係」が保たれるという意味ではなく、「和解」の徹底的達成とも意味しなかった。その一つ重要な理由は、国交回復は単に「利益」の論理に従うことに対し、友好及び和解はむしろ「利益」を超える道徳上の認識に絡めるものであると、王広涛氏は指摘した。
 報告の後半では、高橋所長及びICCS研究員・RAたちはコメントと質疑をし、これに対し王広涛氏は説明するとともに、今後の研究課題として進めると返答した。

第31回研究会

  • 日時:2015年5月27日(水)16:30~18:30
  • 場所:厚生棟3階W32会議室
  • 報告:李 博(ICCS研究員)
  • テーマ:中国における産業構造変化と経済成長の関係


 愛知大学国際中国学研究センターICCS若手研究会第3回例会は、2015年5月27日(水)に本学名古屋キャンパス厚生棟W32にて開催した。前半には、李博研究員は「中国における産業構造変化と経済成長の関係」を題目にして、報告した。報告は基本的に李氏の博士論文をもとにしており、産業構造変化と経済成長(労働生産性成長)の関係を供給サイド、需要サイド、供給・需要の相互作用の視点から研究したものである。
 後半には、報告内容について、田中マリア氏は産業構造変化に対して国有企業の影響の有無、生産要素移動の硬直性問題、今後全要素生産性(TFP)を向上するための方策、王広涛氏は中国経済成長における収穫逓減問題、生産要素移動の硬直性の地域別差異および本研究におけるデータ欠損問題に対する対応、張玲氏は大分類3次産業の構造変化と経済成長率(実質GDP対前年成長率)の相関関係、高橋所長は本研究に使用したデータの出所、中国の資金流動・金融収支の産業構造変化への影響、本研究における産業分類の仕方についてコメントと質問をし、李研究員は質問応答をしたとともに、今後の研究計画などについて説明した。

第30回研究会

  • 日時:2015年4月30日(木)14:30~16:20
  • 場所:厚生棟3階W31会議室
  • 報告:田中周(ICCS研究員)
  • テーマ:中国辺境政策論:ウイグル族をめぐるイスラーム・テロと国家反テロ政策を事例として


 本報告はコウォジェイチク-田中マリア氏との共著論文「中国辺境政策論:ウイグル族をめぐるイスラーム・テロと国家反テロ政策を事例として」に関する発表である。
 本報告では、ウイグル族イスラーム過激派を、ウイグル族在外組織のより広い文脈の中で分析し、さらに中国政府の反テロ政策を分析した。加えて、重要な論点であるにもかかわらず十分な研究がなされてこなかった、中国の反テロ政策と辺境政策との関係を解明する事を目的とした。
 概要は次のとおりである。まず、テロに関する理論的諸問題を扱い、テーマ別に(一)テロと国家、(二)テロと歴史、(三)テロと宗教、(四)テロの諸理論、の四つに分類した。次に、中国の辺境政策に関連した主要問題を紹介し、国家の反テロ政策との関係を分析した。さらに(一)新疆における中国共産党の民族政策、(二)国家に対するウイグル族の社会的経済的な不平、(三)一九四九年以降の中国政府の支配に対するウイグル族の抵抗の歴史、(四)東トルキスタン・イスラーム運動(East Turkistan Islamic Movement: ETIM)とウイグル族ディアスポラの関係についての分析を通じて、ウイグル族分離主義の目的と本質を考察した。加えて、中国の反テロ政策を、(一)反テロ政策の構造、(二)新疆における反テロ戦略を構成する国内要素、(三)新疆における反テロ戦略を構成する国際要素、の三つの部分から分析した。結論は二つの部分からなり、(一)ウイグル族イスラーム・テロと中国の反テロ政策の二元的レベルの分析(dyadic level of analysis)を行い、(二)反テロ政策と辺境政策との間の相互依存メカニズムを解明することによって、中国の辺境政策を論じた。
 報告を受けて高橋先生、各研究員、各RAから貴重なコメント・質問がなされ、活発な議論が交わされた。

第29回研究会

  • 日時:2015年4月15日(水)16:30~17:30
  • 場所:ICCS事務室
  • 報告:牛革平(ICCS研究員)
  • テーマ:政治思想と政治構造―中国の政治的近代化の問題について


 愛知大学国際中国学研究センター2015年度第1回ICCS若手研究会例会は、2015年4月15日(水)、本学名古屋校舎厚生棟3階ICCS事務室にて開催した。前半は、牛革平研究員から「政治思想と政治構造―中国の政治的近代化の問題について」をテーマとする報告をおこなった。報告は2部に構成され、第1部は近代国民国家のモデルと古代中国国家との比較によって中国の政治的近代化の問題を探求し、第2部は、近代世界と古代中国におけるそれぞれ一番重要な政治哲学としてのリベラリズムと儒教を比較し、この二つの伝統の融合の可能性について論じた。後半には、李博研究員から「均質的な国民経済」や儒教における人民の政治参加の問題について、田中研究員からは儒教とリベラリズムの定義や近代「化」・「性」について、そして高橋所長は研究の時代背景、中国における国家論の欠如と「融合」という用語の問題について、それぞれコメントや質問がだされ、議論をおこなった。



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