ICCS 国際中国学研究センター

研究活動

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第27回研究会

  • 日時:2011年11月9日(水)12:00~13:00
  • 場所:第3会議室
  • 報告:佐藤敦信(ICCS研究員)
  • テーマ:食肉製品輸出企業における中国国内販売へのシフト要因


 中国に進出した一部の日系食品企業においては、従来から続く対日輸出だけではなく、新たに中国国内販売に注力する取組みもみられる。この要因としては、次の2点が考えられる。1つは、中国市場における高品質食品の需要や食品摂取量の増大である。所得の向上とともに都市部を中心に、高所得者層では高品質食品への需要が増大していると推測される。もう1つは、主要輸出先である日本の規制強化である。開発輸入を目的に中国に進出した日系食品企業は対日輸出用食品の生産基地としての機能を有してきたが、対日輸出にかかる規制は強化されてきた。本報告では、後者の要因について、食肉製品の対日輸出に関する規制や、日本における中国産の違反数量・原因に関する資料をもとに整理し考察を加えた。
 本報告をめぐっては,日系食品企業の位置づけや中国産の日本における違反比率、対日輸出品の中での野菜と畜産物の比較などに関する意見・質問等が提示された。


第26回研究会

  • 日時:2011年10月5日(水)13:00~14:00
  • 場所:第4会議室
  • 報告:山口哲由(ICCS研究員)
  • テーマ:中国西部における放牧地問題を考察する視角


 中国西部には家畜飼養に依拠することで生活する人びとが多く生活しているが,これらの地域では特に生産責任制導入以降,過放牧による環境の荒廃が問題視されてきた。こういった放牧地の状態評価における手法では,1つの地域を単位とし,牧草地での生産量と家畜による牧草の消費量を一般化して比較することで導き出されてきた。本報告では,チベット族の家畜飼養の事例に基づいて,飼養方法や利用される放牧地は家畜種に応じて異なることを示し,標準化による放牧地評価方法では域内における負荷の偏りなどの問題を看過し易い点を指摘した。特に近年の中国では,グローバル化や少子化の影響により,集落に近い放牧地が過剰に利用される傾向にあり,そのことを踏まえた対策の必要性を述べた。
 本報告をめぐっては,中国西部における少数民族政策や資源開発に伴う土地接収との関連性,また具体的な西部地域におけるグローバル化が地域の生態環境に及ぼす影響などに関する意見・質問等が提示された。


第25回研究会

  • 日時:2011年10月5日(水)13:00~14:00
  • 場所:435研究室
  • 報告:小嶋祐輔(ICCS研究員)
  • テーマ:新疆ウイグル自治区の開発と中央アジア貿易


 新疆ウイグル自治区の開発政策において、中央アジア諸国との貿易(辺境貿易)は、伝統的にウイグル族が直接関わってきた数少ない領域の一つである。現在においても、報告者が調査を行ったウルムチ市内の辺境貿易市場では多くのウイグル人たちが「言語」という利点を活かして通訳、ブローカーの仕事をしている。彼/彼女らの多くは、そうした仕事をしている理由を「自分の能力でチャンスを掴める」、「取引相手とは文化が同じなのでうまくいく」と説明する。辺境貿易市場は、ウイグル人たちが自らの文化的・民族的資本(と見なすもの)を頼りに、同じ「中国人」として漢族と(ある程度)対等に競争できる場となっている。
 しかし、辺境貿易の現状には課題も多く、自治区が中国沿海地方と中央アジアの中継地点として位置づけられているため、地元の製造・加工業が発展しておらず、地元住民、特に少数民族の雇用、職種・就業形態が限られてしまう点などが挙げられる。今後こうした課題を解消しつつ、対等・公正な競争の場を拡大していくことが重要であろう。



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