ICCS 国際中国学研究センター

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平野 孝治 [ ICCS研究員 ]

ICCS研究員(2010年採用)
メディア社会学、中国メディア論、現代中国政治論


 中国共産党の政権維持には、共産党組織による上意下達のネットワークおよびマスメディアを利用した宣伝工作が大きく貢献している。瞬時に不特定多数の人間に向けて情報を発信することが可能なマスメディアは、共産党の管理下に置かれており、特に共産党委員会直属の報道機関は「党の喉と舌」として機能しており、市民の思想統制と大衆動員に一定の効果を挙げている。
近年、中国政府は国際社会への配慮と市民の政治不信を払拭するため、厳格な報道統制を敷くのではなく、ある程度の情報開示を行い、政府の透明化を図ろうとしている。2008年にチベット自治区で暴動が発生した際に、中国政府は暴動の様子をいち早く国内外に伝えた。もちろん、中国政府の流した情報では、チベット族による暴動の様子が強調されており、政府主導であった点は否めないが、報道統制に変化が生じていることは指摘できるであろう。
 共産党委員会直属の報道機関は、共産党組織の一部として、党の政策方針に従い、共産党政権の許容範囲内で報道を行っている。一方、報道機関を管理指導する宣伝部は、政治腐敗や貧富の差等の社会問題に対し、報道機関を利用して解決しようと試みており、報道機関への対応を模索している状況にある。近年、中国では「政府新聞学」という学問が提起され、突発性事件発生時に政府はどのように報道機関に対応するのかが論じられている。宣伝部は情報を提供することによって報道機関を利用し、世論をリードしようとする現状も見られる。共産党政府と報道機関の関係が今後どのように変化していくのか検証する必要がある。

プロフィール

出身学校名古屋学院大学外国語学部中国語学科卒業
中国文化大学新聞研究所(台湾)修士課程修了
名古屋大学大学院国際言語文化研究科博士課程修了
学位博士(学術)
専門分野メディア社会学、中国メディア論、現代中国政治論
研究テーマ中国共産党の宣伝工作に関する研究
所属学会情報文化学会、日本マス・コミュニケーション学会

主要な著書・論文

区分論文名/書名掲載誌名・書名/出版社発行年
論文
(単著)
試論胡錦濤政權之下的媒體宣傳工作『中共研究』第42巻第3期pp.75-86/中共研究雑誌社2008
論文
(単著)
中国メディア研究の現状と課題―政治コミュニケーションの視座から『情報文化学会誌』第15巻第2号pp.65-73/情報文化学会2008
論文
(単著)
中国共産党中央機関紙と地方機関紙における政治宣伝の比較研究―四川大地震報道を例に『多元文化』第9号pp.171-187/名古屋大学国際言語文化研究科国際多元文化専攻2009
論文
(単著)
中国政治コミュニケーション研究―中国の政治システムと共産党機関紙の置かれている現状について『メディアと社会』創刊号pp.23-40/名古屋大学大学院国際言語文化研究科2009
論文
(単著)
試論建国初期宣伝網的建設及宣伝工作『愛知大学国際問題研究所紀要』第136号pp.119-139/愛知大学国際問題研究所2010
報告中国共産党機関紙の政治宣伝と読者意識に関する一考察情報文化学会第17回全国大会2009
報告中国の対外宣伝工作の現状と分析―中国中央テレビを事例に第2回中国の国際化に関するワークショップ:拡大する中国の国際的影響と国際社会の対応(於愛知大学)2010


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