ICCS 国際中国学研究センター

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成田 拓未 [ ICCS研究員 ]

ICCS研究員(2009年採用)
農産物市場論/協同組合論


日本は、中国にとって最大の野菜輸出先市場となっている。しかし、相次ぐ中国産野菜の安全性問題をうけて、その輸出は中断・停滞を繰り返している。また、中国野菜輸出企業は、この間農場・工場管理の徹底を図っているが、そのことによる高コスト構造が、経営の圧迫要因ともなっている。すなわち、日本の野菜市場は、中国にとって安定性を欠く存在として認識されつつある。そこで、中国の野菜輸出企業は、対日輸出の中で培った農場管理のノウハウを生かし、高品質な野菜の内販へ取り組み始めるなど戦略の見直しを進めている。

 一方、農業の生産力が年々低下しつつある日本では、中国に農産物を輸出することに活路を見出そうという事例が現れつつある。日本の高い技術を基礎に生産された高付加価値のりんごを、贈答を重んじる中国に輸出しようというのである。 りんごではすでに、先行して台湾への輸出が軌道に乗っているが、その条件は、台湾果実消費市場の成熟化である。台湾向けりんご輸出は、中国同様贈答向けの高級品の輸出に始まるが、消費市場の成熟化とともに廉価品の輸出も定着し、現在の市場規模(日本の九州に匹敵)へと成長している。

中国野菜輸出企業の内販への取り組みや、日本産りんごの中国進出は、中国市場の成熟化の過程と深く結びついている。金融危機を画期に経済成長は鈍化しているが、中国政府は内需拡大を政策の重点にすえており、消費市場の成熟は今後もその歩みを止めることはないと考えられる。中国消費市場の成熟化と日中農産物貿易は密接に結びついており、日中農業を展望する上で重要な問題と考える。


プロフィール


出身学校弘前大学人文学部経済学科卒業
弘前大学大学院農学研究科修了
岩手大学大学院連合農学研究科修了
学位博士(農学)
専門分野農産物市場論、協同組合論
研究テーマ日本産農産物対中輸出問題、中国産農産物対日輸出問題、中国農民専業合作社問題
所属学会日本農業市場学会、日本協同組合学会、日本農業経済学会

主要な著書・論文

区分論文名/書名掲載誌名・書名/出版社発行年
論文
(共著)
「中国農民専業合作社法制定の背景と意義」2007年度日本農業経済学会報告論文集/日本農業経済学会2007.12
論文
(共著)
「日本産農産物の対中国輸出の課題と展望―山東省青島市における日本産りんご販売会での調査結果より―」農業市場研究第17巻第2号2008.12
論文
(共著)
「日本农协的发展经验对中国农民专业社的启示」『青岛农业大学学报(社会科学版)』第21巻第1期2009.1
報告「中国農民専業合作社法公布後の農民組織化の現状―模範定款と事例合作社定款の検討を通じて―」日本農業経済学会/宇都宮大学2008.3
報告「日本産りんごの対中国輸出の現状―片山りんご株式会社の事例を中心に―」日本農業市場学会/東京農業大学2008.7
報告「中国産野菜対日輸出量減少下における日系野菜生産輸出企業の新動向」日本農業市場学会/三重大学2009.7


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