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新次元の日中関係

表紙:新次元の日中関係
表紙:新次元の日中関係

目次

序論(高橋五郎)
第一部 私の日中関係安定論
「私の日中関係安定論」について(高橋五郎)
1 グローバル中国との付き合い方(毛里和子)
2 日中関係の将来と現状(莫邦富)
3 まず中国や日中関係に関する方法論の見直し(朱建榮)
4 迷走する中国経済(柯隆)

第二部 日中関係の構造的変容と課題

第1章 日中政治外交
第1節 日中関係における大きな障碍(劉柏林)
はじめに
1 国交正常化の回顧
2 70年代、友好ブーム――中日関係の重視
3 80年代、友好ブームに冷や水――歴史認識問題の浮上
4 海外からの批判
5 日本政府の公式見解と閣僚の放言(失言)
6 障碍を取り除くカギはどこにあるか
第2節 領土・歴史・海洋「三重の対立」をいかに克服するか――21世紀の新たな日中関係の考察(川村範行)
はじめに
1 南シナ海をめぐる日中の対立の顕在化
2 東シナ海における日中の対立エスカレート
3 日本の外交政策・安全保障政策の転換
4 習近平指導部における歴史問題と民族主義
5 日中関係の構造的変化と習近平指導部の対日姿勢
6 戦後和解への努力を
7 日中「冷たい平和」防止のための提言
結 び
第3節 研究機関誌の論調からみる中国の対日政策(2012~2015)(王広涛)
はじめに
1 統計の概要と結果
2 内容分析
3 事例研究――領土問題の言説を中心に
結論

第2章 日中経済の変容
第1節 都市交通問題の日中比較分析と「東京モデル」――北京への示唆と国際比較の視点から(李春利・張鍾允)
はじめに
1 交通政策の基本的な考え方=選択モデルと交通需要マネジメント
2 北京市と東京圏の比較可能性
3 「東京モデル」と交通政策
むすび
第2節 グローバル化時代の日中協力とその展望――岐路を迎えた日本の対中経済協力(佐藤元彦)
はじめに
1 中国の対外援助・経済協力
2 中国主導の地域経済協力の急速な展開
おわりに――対中経済協力の今後と日中経済協力パートナーシップの可能性
第3節 新しい時代に向かう日中金融関係(田代秀敏)
1 金融超大国としての中国
2 日中金融協力の新時代

第3章 社会貢献を通じてみる日系企業の日中関係の変容
第1節 中国における日系企業の社会責任・社会貢献活動の原理と実態(高橋五郎) 
はじめに
1 一般論としての「企業の社会責任」と「企業の社会貢献」
2 活動の主体としての日系企業の影響力
3 中国における日系企業の社会責任活動
4 中国における日系企業の社会貢献活動
5 日系企業の社会責任・社会貢献活動の背景
第2節 新時代の中国市場における競争優位戦略――CSR戦略とマーケティング3.0のクロス・オーバー(服部健治)
はじめに――問題意識
1 中国市場の新しい時代
2 中国市場への経営戦略アプローチ
3 CSR戦略の再検討
4 新しい競争優位戦略のアプローチ
結論――中国市場の新しい時代における競争戦略
第3節 中国における日系企業の貢献のダイナミズム――パナソニックのケース(田中英式)
はじめに
1 既存研究サーベイと本稿の分析視点
2 中国におけるパナソニックの事業展開のフェーズと現地への貢献の変化
おわりに
第4節 電気事業にみる企業の社会貢献活動――Jパワーを事例として(大澤正治)
1 電気事業における企業の社会的責任
2 電源開発株式会社(Jパワー)と中国
3 中国に対するJパワーの経験
4 石炭をめぐる世界の状況と中国の石炭需給
5 石炭火力の今後の展開を踏まえて

第4章 中国農業大転換と日本 第1節 食料品の日中間における付加価値貿易の構造的実態と今後――OECD、TiVA2015の構造と応用(高橋五郎)
はじめに
1 TiVAにおける食料品の定義と問題
2 付加価値貿易の意味
3 主要国の食料品輸出の付加価値率
4 日中相互の付加価値率
5 主要国の食料品貿易における日本と中国の比重
6 中国から日本への付加価値輸出――まとめに代えて
第2節 中国における日系食品産業の成果と課題(大島一二)
はじめに
1 日系食品産業による中国での「開発輸入」の展開と課題
2 中国内販戦略への転換
3 日系食品産業の中国内販戦略の課題
まとめにかえて
第3節 「包」が進める農業規模経営についての一考察(原田忠直)
はじめに
1 「包」の機能
2 「包」の視点からみた専業農家の展開と限界
3 「包」の視点からみた合作農場の展開と限界
まとめにかえて――民間主導の規模経営

第5章 日中文化・社会相互浸透と背景
第1節 中日間の越境するサブカルチャー(周星)
はじめに
1 中国における日本のアニメーション
2 自己の存在価値を求めるコスプレ
3 日中間で共有される「萌」の美意識
4 結語――「反日」と「哈日」を超えて
第2節 中国の文化外交と華人社会との関わり――華語教育への影響をめぐって(奈倉京子)
はじめに
1 僑務政策と華人社会の共通語の変遷からみる中国の「文化外交」
2 2000年以降の中国の文化外交と華人社会との関わり
おわりに
第3節 21世紀の国民国家建設の可能性――日中における多文化共生の取り込みの比較を通して(高明潔)
問題提起
1 日本における多文化共生の取組み
2 中国における多文化共生の取組み
3 日中における多文化共生取組みの比較
4 日中の多文化共生の課題からみる21世紀の新しい国民国家像の可能性
第4節 グローバリゼーションと格差社会の形成――日中社会構造の類似性と異質性(唐燕霞)
はじめに
1 グローバリゼーションと格差の拡大
2 格差社会の構造的要因――日中社会構造の類似性と異質性
3 結びに変えて――格差是正に向けて
第5節 留学と日中関係――中国人の留学とその構造変容に関する一試論(大澤肇)
はじめに 
1 中国人の海外留学
2 現代中国における留学
おわりに


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ICCS(International Center for Chinese Studies)について

文部科学省「21世紀COEプログラム」によって設立された愛知大学国際中国学研究センター(International Center for Chinese Studies:略称ICCS)は、本学大学院中国研究科博士課程を中核に、海外から招聘する世界レベルの学者を含む現代中国研究の国際的な研究・教育機関として、活動を行っております。

ICCSの研究における究極的目標は、伝統的な「中国学(Sinology)」にとどまらず、新たな学問分野として「現代中国学(Modern Sinology)」の構築に向けた努力を継続することにあります。これは日本発の世界的な取組みとなるでしょう。私たちは日本国内、中国をはじめとする世界の優れた仲間たちと、このための研究を進めています。

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