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開催状況不明

2007年度国際シンポジウム「現代中国学の新しいパラダイムをめぐって」を開催しました。

開催日時

愛知大学国際中国学研究センター(以下、ICCS)は2007年12月15日(土)~16日(日)の二日間、「現代中国学の新しいパラダイムをめぐって」をテーマに、初日約350名、2日目約100名という参加者を数える国際シンポジウムを名古屋校舎で開催した。これは、ICCSが文部科学省21 世紀COEプログラム採択以後、これまで試みてきた現代中国学の構築の成果について、ICCSが招聘した内外の中国研究者の参加を得て徹底的議論を行い、さらにその発展を目指そうとの趣旨で行ったものである。
そこでワーキング・ペーパーとして加々美光行ICCS所長がかねてから唱えてきた「共同態度論」(Co-Behaviorism)と現代中国学との関係について報告、これを議論の素材としてシンポジウムを行った。加々美所長はこの機会のために『現代中国学の新たなパラダイム:コ・ビヘイビオリズムの提唱』をまとめ、これをシンポジウム・パネリストに事前に送付、シンポジウムの際、ご自身の意見を述べるというかたちをとった。そのため、議論は率直に行われ、非常に内容の濃いものとなった。
二日間の形式は全くことなり、初日は、大教室で内外から参加の14名のパネリストがコメントを行い、二日目は会場を変え、ラウンドテーブル方式で、愛知大学のICCS関係者のコメントの後、議論を深めるため、進行者のリードによる徹底的な討論を行った。


初日:総括討論(パネリストスピーチ)
    コーディネーター・山本一巳運営委員


加々美所長による問題提起

加々美所長による問題提起

初日はまず高橋五郎ICCS副所長が、今回開催された国際シンポジウムの趣旨についてくわしく説明し、続いて、加々美所長が問題提起のかたちをとって、『現代中国学の新たなパラダイム:コ・ビヘイビオリズム』について報告した。 その後、別記の参加者が意見を述べ、加々美所長が応じるという形式とした。





加藤紘一衆議院議員による特別講演

加藤紘一衆議院議員による特別講演

初日のコメント終了後には、加藤紘一衆議院議員が400名を前に「対中政策の現状と課題をめぐって」と題する特別講演を行い、45年にわたる氏の議員生活と、中国とのかかわりや日中関係の重要さなどを語り、ときに氏のユーモア溢れるお話に、満場から喝采が起きた




会場風景

会場風景

二日目:パネリスト・ラウンドテーブル(パネリストスピーチ+集中討議)
     コーディネーター・佐藤元彦運営委員、川井伸一運営委員


討論風景

討論風景

愛知大学ICCS関係者14名のコメントに引き続き、ラウンドテーブル形式の集中討議を行い、加々美所長が反論あるいは再コメントを行うという形式をとり、非常に有意義であった。今回のシンポジウムには、4名のICCS研究員のほか、愛知大学大学院中国研究科で博士学位を取得したデュアルディグリー・プログラム(二重学位制)第1期生4名(中国人民大学2名、南開大学2名)が中国から参加して、ラウンドテーブルに出席し、活発に意見を述べた。この4名はすでに、中国で大学教員や国家機関に就職した者たちであるが、ICCSの若手育成が、博士課程修了後においても一定のレベルまで、元二重学位生の育成を継続的に行うという取組みの一環である。ICCS研究員の参加についても同様の趣旨から行ったもので、率直な意見報告があり、成果があった。
なお、今回の国際シンポジウムについて、詳しくは、2008年2月中に刊行する『2007年度ICCS国際シンポジウム報告書:現代中国学の新しいパラダイムをめぐって』(仮称)をご覧いただきたい。入手ご希望の方は、ICCS事務室まで、ご連絡いただきたい。なおシンポジウムの一部は、このホームページ上にも公開する予定である。 (高橋五郎 記)


参加者一同

参加者一同


シンポジウム出席者氏名:

【国内外招聘者】

金観濤(香港中文大学)
周長城(武漢大学)
Richard Madsen(カリフォルニア大学サンディエゴ校)
楊棟梁(南開大学)
陳東林(中国社会科学院当代中国研究所)
周暁虹(南京大学)
Eric Harwit(ハワイ大学/愛知大学)
周立群(南開大学)
並木頼寿(東京大学)
小林一美(神奈川大学名誉教授)
江沛(南開大学)
宋献方(中国科学院地理科学与資源研究所)
     

【学内教員・研究者】

加々美光行(国際中国学研究センター所長・現代中国学部)
鈴木規夫(国際中国学研究センター運営委員・国際コミュニケーション学部)
高橋五郎(国際中国学研究センター副所長・現代中国学部)
川井伸一(国際中国学研究センター運営委員・経営学部)
古澤賢治(国際中国学研究センター運営委員・現代中国学部)
佐藤元彦(国際中国学研究センター運営委員・経済学部)
李春利 (国際中国学研究センター運営委員・経済学部)
田中英式(国際中国学研究センター運営委員・経営学部)
山本一巳(国際中国学研究センター運営委員・現代中国学部)
張 琢 (国際中国学研究センター運営委員・現代中国学部)
馬場 毅(国際中国学研究センター運営委員・現代中国学部)
高明潔 (国際中国学研究センター運営委員・現代中国学部)
周 星 (国際中国学研究センター運営委員・国際コミュニケーション学部)
榧根勇 (国際中国学研究センター運営委員・ICCSフェロー)
藤田佳久(国際中国学研究センター運営委員・文学部)
馮昭奎  (現代中国学部客員教授)
    

【若手研究者】

秋山知宏(国際中国学研究センターICCS研究員)
朱安新 (国際中国学研究センターICCS研究員)
大野太幹(国際中国学研究センターICCS研究員)
劉暁慧 (国際中国学研究センターICCS研究員)
楊 妍 (南開大学周恩来政府管理学院講師・デュアルディグリー・プログラム第1期生)
方 琢 (中国国家開発銀行職員・デュアルディグリー・プログラム第1期生)
許光清 (中国人民大学環境学院副教授・デュアルディグリー・プログラム第1期生)
湯忠鋼 (華僑大学人文与公共管理学院講師・デュアルディグリー・プログラム第1期生)


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ICCS(International Center for Chinese Studies)について

文部科学省「21世紀COEプログラム」によって設立された愛知大学国際中国学研究センター(International Center for Chinese Studies:略称ICCS)は、本学大学院中国研究科博士課程を中核に、海外から招聘する世界レベルの学者を含む現代中国研究の国際的な研究・教育機関として、活動を行っております。

ICCSの研究における究極的目標は、伝統的な「中国学(Sinology)」にとどまらず、新たな学問分野として「現代中国学(Modern Sinology)」の構築に向けた努力を継続することにあります。これは日本発の世界的な取組みとなるでしょう。私たちは日本国内、中国をはじめとする世界の優れた仲間たちと、このための研究を進めています。

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