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第8回「日中戦争史研究会」を開催しました

開催日時

2012年1月28日(土)、本学車道校舎において、第8回「日中戦争史研究会」(主査:馬場毅教授)を開催しました。


 第8回目の開催となった今回は、柴田哲雄先生(愛知学院大学)と森久男先生(愛知大学)のお二人に、「書評:堀井弘一郎著『汪兆銘政権と新国民運動―動員される民衆―』」(柴田)、「チャハル作戦をめぐる関東軍と蒋介石の軍事戦略」(森)というテーマでご発表いただきました。

  • 柴田報告:
     満州国と比較して研究蓄積の乏しかった汪兆銘政権に関して、民衆に対する教化と動員工作に焦点を絞って記述された堀井弘一郎著『汪兆銘政権と新国民運動―動員される民衆―』を取り上げ、ここで記述された内容の意義と課題に関する書評の報告がおこなわれました。質疑応答では、中国での近代国民国家の成立における汪政権とそこでの動員工作が果たした意義をめぐる議論や、本著では十分に言及されなかった資本家層と汪政権の関係をめぐる議論がおこなわれました。

  • 森報告:
     複雑に入り組んだ状況が同時進行していたために日中戦争における状況推移の全体像を把握することは非常に難しいとされていますが、本報告では、チャハル省(現在の内モンゴル)を中心としておこなわれたチャハル作戦をめぐる関東軍と蒋介石、蒙疆自治政府の動向に基づいて、当時の華北の状況推移を考察した発表がおこなわれました。質疑応答では、蒋介石の軍事作戦考案の基盤となった彼らの経歴に関する討論や,蒙疆自治政府の位置付けに関する活発な議論がおこなわれました。


 なお、今回の研究会のレジュメ(柴田報告については事情により非公開)および議論の議事録はこちらのページで公開されております。

(文責:山口哲由)



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ICCSの研究における究極的目標は、伝統的な「中国学(Sinology)」にとどまらず、新たな学問分野として「現代中国学(Modern Sinology)」の構築に向けた努力を継続することにあります。これは日本発の世界的な取組みとなるでしょう。私たちは日本国内、中国をはじめとする世界の優れた仲間たちと、このための研究を進めています。

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