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開催状況不明
NIHU日中国交正常化40周年記念連続シンポジウム第3回名古屋大会「中国経済と日中相互依存の未来」を開催しました
- 開催日時
日中関係が緊迫するなか、2012年10月5日(金)、愛知大学国際中国学研究センターは、大学共同利用機関法人・人間文化研究機構(NIHU)と合同でシンポジウム「中国経済と日中相互依存の未来」を開催しました。このシンポジウムは、日中国交正常化40周年記念連続シンポジウムとして人間文化研究機構により企画され、京都大会、東京大会に続き、第3回・名古屋大会として本学が主催校となり開催したものです。
中部地区を日本における製造業の中心地と位置付け、世界の工場として、また、振興市場として成長著しい中国と経済的な交流を重ねてきた視点から、日中関係のこれまでの歩みと今後の展望に関する討論が行われました。講演者・パネリストとしては、長年、中国研究に携わってきた研究者とともに実業界で活躍されている方々にも参加していただき、350名以上の多くの一般聴講者も交えたシンポジウムとなりました。
講演に先立ってICCS所長・高橋五郎氏が開催趣旨を説明され、40年前に始まった戦後日中関係は大変厳しい時期を迎えているが、それを乗り越え、さらに世界に貢献する日中関係を築いていくにはどうすれば良いのか?という問題提起がなされました。
基調講演・第1部では、トヨタ自動車の加藤雅大氏から「実業界における日中相互依存の視点と心構え」と題し、中国における同社の関わりにおける試行錯誤と教訓などをお話いただきました。また、基調講演・第2部では、カナダ・フレーザー・バレー大学の陸丁氏に「中所得の罠を越える中国の経済発展」と題して、この40年で急速に発展してきた中国経済を詳細に説明いただくとともに、さらなる継続的な発展を目指すうえでの課題などを説明いただきました。
パネルディスカッション・第1部は、デンソーの山田昇氏、経営コンサルタントの津上俊哉氏、日中農業経営を手がける加藤秀明氏に参加していただき、北京人民ラジオキャスターの青樹明子氏の司会により行われました。現在の日中関係の最前線の事情が分かりやすく紹介されるとともに、近年の政治的な緊張関係のもとで、日中経済に関わる人々がそれをどのように乗り越えていくべきかが議論されました。
パネルディスカッション・第2部では、富士通総研の柯隆氏、愛知大学の川井伸一氏、東京大学の丸川知雄氏、神戸大学の梶谷懐氏の4名の研究者の方々に参加していただき、愛知大学の李春利氏の司会で「どう見る中国経済の行方と日本」というテーマの討論が行われました。研究者の方々からは最近の事情を踏まえた中国経済の現状と将来的な展望に関する見解が述べられ、それに基づいて今後の望ましい日中関係のあり方などが議論されました。
最後に、4大会実行委員長の早稲田大学天児慧氏がシンポジウム名古屋大会の総括を行い、また、一連のシンポジウムについて、あらためてその意義を強調されました。
シンポジウムの様子は各メディアが注目し、翌日大きく報道されました。