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上海復旦大学の臧志軍教授をお招きして、ICCS政治外交班研究会を開催しました

開催日時

2012年11月18日(日)、愛知大学車道校舎において、ICCS政治外交班研究会が開催されました。今回の研究会では、混迷を深める最近の日中関係をめぐって、上海復旦大学の臧志軍教授をお招きしてご発言いただきました。ICCS政治外交班からは、加々美光行教授、鈴木規夫教授、浅井正教授(以上愛知大学)、川村範行教授(名古屋外国語大学)が参加し、活発な意見交換がなされました。


 臧教授からは、日中関係のみにとどまらず、今年の中国の対外関係を大きく三点にまとめて報告があり、①年初の薄熙来事件について、外国情報機関が、事件を通じて中国の最高行政機関の人事にまで影響力をおよぼしたという点で、国家安全保衛局の責任が問われる極めて重要な事件であったこと、②尖閣諸島をめぐる日中両国の衝突は、もはや特定の人物、人脈を通じて処理できるものではなく、日中関係システム全体の課題であり、「対中抑止」という日本の基本的方針の転換が必要とされていること、③十八大は、内外に順調な指導層の交代というイメージを与えたが、民生の改善、国民生活と経済構造のバランスの取り方が今後の重要な課題となること、が提起されました。

 ICCS政治外交班からは、①最高指導者となった習近平が11月15日の記者会見で行ったスピーチで強調した「中華民族の偉大なる復興」、或いは毛沢東評価の問題などが、胡錦濤が11月8日の十八大報告で提起した「海洋強国」の論点と繋がって、軍事大国化をいっそう促進するのではないかという懸念、②民生改善のための産業構造改革は既に製造業主導では困難であり、外国資本の流失を防ぐためにも第三次産業の創出に依拠した構造改革が求められているが、その実現にはさらに時間が必要で、その間、大きな困難が伴うこと、③「尖閣国有化」がもたらした対立激化の解決の道として、「共同開発」を再度模索できるのか、などの意見が提出されました。

(文責:小嶋祐輔)



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文部科学省「21世紀COEプログラム」によって設立された愛知大学国際中国学研究センター(International Center for Chinese Studies:略称ICCS)は、本学大学院中国研究科博士課程を中核に、海外から招聘する世界レベルの学者を含む現代中国研究の国際的な研究・教育機関として、活動を行っております。

ICCSの研究における究極的目標は、伝統的な「中国学(Sinology)」にとどまらず、新たな学問分野として「現代中国学(Modern Sinology)」の構築に向けた努力を継続することにあります。これは日本発の世界的な取組みとなるでしょう。私たちは日本国内、中国をはじめとする世界の優れた仲間たちと、このための研究を進めています。

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