お知らせ

2018年度ICCS研究員の着任について

 2018年4月1日、椎名一雄ICCS研究員が着任しました。



■椎名 一雄 研究員

  ICCS研究員の椎名一雄と申します。専門は中国古代史です。『史記』や『漢書』などの伝世文献や、最新の出土文字資料にみられる法律文書などから、秦漢時代の身分制度についての究明を進めております。とくに、皇帝を中心とした専制支配が出現した中国古代において、なぜ社会が専制的国家支配を受け入れたのか、国家は社会を支配する正当性をどのようにして手に入れたのか、という問題意識のもと、現在は出土文字資料にみえる「庶人」の存在をてがかりに研究をしております。かつて「庶人」は、一般的な農民と理解されてきました。ところが、近年開発が進む中国において、法律関連の文字資料が新しく出土され、そこから「庶人」は単なる農民ではなく解放された刑徒などを指す特殊な用語であることが明らかとなってきました。この「庶人」が果たしていた社会と国家を結ぶ重要な役割とその実態を、今後さらなる出土文字資料の分析から明らかにします。そして、この研究をてがかりに、将来は、中国を含む前近代の東アジアにおける身分制度の機能や変容を解明していきたいと考えております。

[⇒椎名一雄研究員プロフィール]



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ICCS(International Center for Chinese Studies)について

文部科学省「21世紀COEプログラム」によって設立された愛知大学国際中国学研究センター(International Center for Chinese Studies:略称ICCS)は、本学大学院中国研究科博士課程を中核に、海外から招聘する世界レベルの学者を含む現代中国研究の国際的な研究・教育機関として、活動を行っております。

ICCSの研究における究極的目標は、伝統的な「中国学(Sinology)」にとどまらず、新たな学問分野として「現代中国学(Modern Sinology)」の構築に向けた努力を継続することにあります。これは日本発の世界的な取組みとなるでしょう。私たちは日本国内、中国をはじめとする世界の優れた仲間たちと、このための研究を進めています。

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