叢書『新次元の日中関係』(高橋五郎 編)が日本評論社から刊行されました。
政府間関係と民間レベルの「二階建て構造」とも称される日中関係をより盤石にするために何が必要か? 日中知識人による共同研究。
出版社 | 日本評論社 |
発行 | 2017年9月20日 |
価格(税込) | 3,996円 |
ページ数 | 480P |
判型 | A5判 |
ISBN | 978-4-535-58715-1 |
---【もくじ】---
序論(高橋五郎)
---第Ⅰ部 私の日中関係安定論---
「私の日中関係安定論」について(高橋五郎)
1 グローバル中国との付き合い方(毛里和子)
2 日中関係の将来と現状(莫邦富)
3 まず中国や日中関係に関する方法論の見直し(朱建榮)
4 迷走する中国経済(柯隆)
---第Ⅱ部 日中関係の構造的変容と課題---
第1章 日中政治外交
第1節 日中関係における大きな障碍(劉柏林)
はじめに
1 国交正常化の回顧
2 70年代、友好ブーム――中日関係の重視
3 80年代、友好ブームに冷や水――歴史認識問題の浮上
4 海外からの批判
5 日本政府の公式見解と閣僚の放言(失言)
6 障碍を取り除くカギはどこにあるか
第2節 領土・歴史・海洋「三重の対立」をいかに克服するか――21世紀の新たな日中関係の考察(川村範行)
はじめに
1 南シナ海をめぐる日中の対立の顕在化
2 東シナ海における日中の対立エスカレート
3 日本の外交政策・安全保障政策の転換
4 習近平指導部における歴史問題と民族主義
5 日中関係の構造的変化と習近平指導部の対日姿勢
6 戦後和解への努力を
7 日中「冷たい平和」防止のための提言
結 び
第3節 研究機関誌の論調からみる中国の対日政策(2012~2015)(王広涛)
はじめに
1 統計の概要と結果
2 内容分析
3 事例研究――領土問題の言説を中心に
結論
第2章 日中経済の変容
第1節 都市交通問題の日中比較分析と「東京モデル」――北京への示唆と国際比較の視点から(李春利・張鍾允)
はじめに
1 交通政策の基本的な考え方=選択モデルと交通需要マネジメント
2 北京市と東京圏の比較可能性
3 「東京モデル」と交通政策
むすび
第2節 グローバル化時代の日中協力とその展望――岐路を迎えた日本の対中経済協力(佐藤元彦)
はじめに
1 中国の対外援助・経済協力
2 中国主導の地域経済協力の急速な展開
おわりに――対中経済協力の今後と日中経済協力パートナーシップの可能性
第3節 新しい時代に向かう日中金融関係(田代秀敏)
1 金融超大国としての中国
2 日中金融協力の新時代
第3章 社会貢献を通じてみる日系企業の日中関係の変容
第1節 中国における日系企業の社会責任・社会貢献活動の原理と実態(高橋五郎)
はじめに
1 一般論としての「企業の社会責任」と「企業の社会貢献」
2 活動の主体としての日系企業の影響力
3 中国における日系企業の社会責任活動
4 中国における日系企業の社会貢献活動
5 日系企業の社会責任・社会貢献活動の背景
第2節 新時代の中国市場における競争優位戦略――CSR戦略とマーケティング3.0のクロス・オーバー(服部健治)
はじめに――問題意識
1 中国市場の新しい時代
2 中国市場への経営戦略アプローチ
3 CSR戦略の再検討
4 新しい競争優位戦略のアプローチ
結論――中国市場の新しい時代における競争戦略
第3節 中国における日系企業の貢献のダイナミズム――パナソニックのケース(田中英式)
はじめに
1 既存研究サーベイと本稿の分析視点
2 中国におけるパナソニックの事業展開のフェーズと現地への貢献の変化
おわりに
第4節 電気事業にみる企業の社会貢献活動――Jパワーを事例として(大澤正治)
1 電気事業における企業の社会的責任
2 電源開発株式会社(Jパワー)と中国
3 中国に対するJパワーの経験
4 石炭をめぐる世界の状況と中国の石炭需給
5 石炭火力の今後の展開を踏まえて
第4章 中国農業大転換と日本
第1節 食料品の日中間における付加価値貿易の構造的実態と今後――OECD、TiVA2015の構造と応用(高橋五郎)
はじめに
1 TiVAにおける食料品の定義と問題
2 付加価値貿易の意味
3 主要国の食料品輸出の付加価値率
4 日中相互の付加価値率
5 主要国の食料品貿易における日本と中国の比重
6 中国から日本への付加価値輸出――まとめに代えて
第2節 中国における日系食品産業の成果と課題(大島一二)
はじめに
1 日系食品産業による中国での「開発輸入」の展開と課題
2 中国内販戦略への転換
3 日系食品産業の中国内販戦略の課題
まとめにかえて
第3節 「包」が進める農業規模経営についての一考察(原田忠直)
はじめに
1 「包」の機能
2 「包」の視点からみた専業農家の展開と限界
3 「包」の視点からみた合作農場の展開と限界
まとめにかえて――民間主導の規模経営
第5章 日中文化・社会相互浸透と背景
第1節 中日間の越境するサブカルチャー(周星)
はじめに
1 中国における日本のアニメーション
2 自己の存在価値を求めるコスプレ
3 日中間で共有される「萌」の美意識
4 結語――「反日」と「哈日」を超えて
第2節 中国の文化外交と華人社会との関わり――華語教育への影響をめぐって(奈倉京子)
はじめに
1 僑務政策と華人社会の共通語の変遷からみる中国の「文化外交」
2 2000年以降の中国の文化外交と華人社会との関わり
おわりに
第3節 21世紀の国民国家建設の可能性――日中における多文化共生の取り込みの比較を通して(高明潔)
問題提起
1 日本における多文化共生の取組み
2 中国における多文化共生の取組み
3 日中における多文化共生取組みの比較
4 日中の多文化共生の課題からみる21世紀の新しい国民国家像の可能性
第4節 グローバリゼーションと格差社会の形成――日中社会構造の類似性と異質性(唐燕霞)
はじめに
1 グローバリゼーションと格差の拡大
2 格差社会の構造的要因――日中社会構造の類似性と異質性
3 結びに変えて――格差是正に向けて
第5節 留学と日中関係――中国人の留学とその構造変容に関する一試論(大澤肇)
はじめに
1 中国人の海外留学
2 現代中国における留学
おわりに
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