2017年10月1日、徐涛ICCS研究員が着任しました。 ---
■徐 涛 研究員
ICCS研究員の徐涛と申します。専門は現代中国外交、現代中国思想、東アジア国際関係です。現在、大国化する中国のアイデンティティ模索について研究しております。 1990年代後半以降、多くの国内課題を抱えながら大国の道を歩み始めた中国は、新たな自己像を模索しています。モダニティ(近代性)、自由、民主、公正など問題をめぐる諸論争や「大国台頭」論、「中国モデル」論、国際関係理論の「中国学派」をめぐる議論の出現はそのことを象徴しているといえるでしょう。注目すべきは、中国におけるアイデンティティの模索が国内・地域・世界という複数の次元において相互作用をともないつつ行われていることです。本研究は、これまでの先行研究を踏まえ、国内・地域・世界という三つの視点から大国化する中国におけるアイデンティティの模索を総合的に検討します。具体的には中国のアイデンティティ模索にかかわる主な二つのアクター――共産党指導部・政府と知識人――の言説に対する分析を通じて、新たに模索されている重層的な自己像およびそれにかかわる他者像・地域像・世界像を考察します。