お知らせ

2022年度ICCS研究員の着任について

 2022年4月1日、衛娣ICCS研究員、徐天堯ICCS研究員が着任しました。 ---

■衛 娣 研究員

 ICCS研究員の卫娣と申します。私は、中国の技術発展に関し、政策を中心に研究を続いております。これまでの研究は、中国へ技術を移転する政策の戦略的枠組みと独自技術形成のイノベーション戦略に関する研究を行ってきました。現在では、「一帯一路」の進展に伴って、中国標準の海外プロモーションがアフリカや東南アジア諸国においてどのように捉えられ、浸透しているかについて現地調査・聞取調査にてデータを収集し、定量的、定性的に検討しております。「一帯一路」の実施は、中国の過剰生産の解消だけでなく、中国標準を世界に普及していく重要なルートであるかを検証することをめざしています。また、1980年代のアメリカと西ヨーロッパ諸国では、すでに標準の重要性を気付き、現在、欧米諸国が標準の普遍的な尺度を持ち、技術覇権を支配されております。しかし、中国国家主席習近平が提唱した「一帯一路」構想の実行に従い、特にアフリカの旧植民地諸国では、かつての旧宗主国が行った開発援助政策と、科学技術による世界情勢を変えたいという中国の願望が衝突しています。そこで、「一帯一路」の展開に巡り、中国標準がどうやって海外にプロモーションし、事実上の国際標準化したのか、またはその過程で直面する課題を国際政治経済学の視点から考察することも行う予定です。 

[⇒衛娣研究員プロフィール]



■徐 天堯 研究員

 ICCS研究員の徐天堯と申します。中国企業の経営管理を専門にしています。研究テーマとしているのは、デジタル時代における中国企業の戦略経営とイノベーション・マネジメントです。中国では、「改革開放」という政策を実施した40年来、世界で最も活発な新興市場に発展しました。中国は現在、インターネットエコノミーの第2ラウンド、新しい製造業革命が始まるデジタル時代にあり、ビジネス競争の状況は複雑であり、急速かつ激しく変化しています。従って、そこから次々と生まれる中国の様々な業界の豊富な実践事例は、経営学などの学術分野での研究に十分なサンプルを提供することができます。私はこれまで、中国の恒順酢業(調味料業界)、海底撈火鍋(外食業界)、テンセント(IT業界)、北京故宮博物院(文化産業)などの事例研究を通じて、デジタル時代の中国企業のイノベーションは、既存企業と新興企業のコラボレーションから生まれることが多いと発見され、このイノベーションのモデルは「コラボレーティブ・イノベーション」と定義されています。今後は、中国の社会、企業、消費者の最新動向を分析することで、日本や世界が中国をより理解できるようになります。このような時代の特徴を具現化した中国の文脈に基づく学術研究を通じて、中国における経営管理学の発展、およびICCSの新たな学問分野として「現代中国学」の構築に貢献したいと考えられます。

[⇒徐天堯研究員プロフィール]



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ICCS(International Center for Chinese Studies)について

文部科学省「21世紀COEプログラム」によって設立された愛知大学国際中国学研究センター(International Center for Chinese Studies:略称ICCS)は、本学大学院中国研究科博士課程を中核に、海外から招聘する世界レベルの学者を含む現代中国研究の国際的な研究・教育機関として、活動を行っております。

ICCSの研究における究極的目標は、伝統的な「中国学(Sinology)」にとどまらず、新たな学問分野として「現代中国学(Modern Sinology)」の構築に向けた努力を継続することにあります。これは日本発の世界的な取組みとなるでしょう。私たちは日本国内、中国をはじめとする世界の優れた仲間たちと、このための研究を進めています。

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