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第43回研究会

報告

  • 王 広涛(ICCS研究員):「政治的な正しさ」と「友好史観」——中国における「南京大虐殺」の語り方

 「南京大虐殺」というのは中国人にとって日常的な概念であり、日中戦争において中国国民被害のシンボル的な存在でもある。しかし、果たしてこのような記憶が虐殺発生直後にすでに形成されたのか、それとも何らかのきっかけで定着されてきたのだろうか。というのは、中国は戦争被害国であるものの、自国の被害に関する記憶は二転三転しており、時に完全に「忘却」してしまう時期もあった。「南京大虐殺」は、そうしたなかで最も代表的な例である。本稿では「南京大虐殺」が忘却されたり、想起されたりするという事実関係の解明と、その背後にある政治的な働きかけの分析を目的とする。  報告の後半では、高橋所長、ICCS研究員はコメントと質疑をし、これに対し王広涛氏は説明するとともに、今後の研究課題として進めると返答した。


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ICCS(International Center for Chinese Studies)について

文部科学省「21世紀COEプログラム」によって設立された愛知大学国際中国学研究センター(International Center for Chinese Studies:略称ICCS)は、本学大学院中国研究科博士課程を中核に、海外から招聘する世界レベルの学者を含む現代中国研究の国際的な研究・教育機関として、活動を行っております。

ICCSの研究における究極的目標は、伝統的な「中国学(Sinology)」にとどまらず、新たな学問分野として「現代中国学(Modern Sinology)」の構築に向けた努力を継続することにあります。これは日本発の世界的な取組みとなるでしょう。私たちは日本国内、中国をはじめとする世界の優れた仲間たちと、このための研究を進めています。

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