若手研究会
第43回研究会
- 開催日
- 開催場所
- 本館(研究棟)M1902会議室
報告
- 王 広涛(ICCS研究員):「政治的な正しさ」と「友好史観」——中国における「南京大虐殺」の語り方
「南京大虐殺」というのは中国人にとって日常的な概念であり、日中戦争において中国国民被害のシンボル的な存在でもある。しかし、果たしてこのような記憶が虐殺発生直後にすでに形成されたのか、それとも何らかのきっかけで定着されてきたのだろうか。というのは、中国は戦争被害国であるものの、自国の被害に関する記憶は二転三転しており、時に完全に「忘却」してしまう時期もあった。「南京大虐殺」は、そうしたなかで最も代表的な例である。本稿では「南京大虐殺」が忘却されたり、想起されたりするという事実関係の解明と、その背後にある政治的な働きかけの分析を目的とする。 報告の後半では、高橋所長、ICCS研究員はコメントと質疑をし、これに対し王広涛氏は説明するとともに、今後の研究課題として進めると返答した。