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若手研究会

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第51回研究会

第一報告

  • 戸谷将義(ICCS RA ):近代新漢語の探究と日中文献資料の諸相-海外知識の受容と翻訳の視点から-

第二報告

  • 劉偉(ICCS RA ):現代社会における茶事ー表千家事例からー

報告1:戸谷将義(ICCS RA )
テーマ:近代新漢語の探究と日中文献資料の諸相-海外知識の受容と翻訳の視点から-

 近代新漢語と日中文献資料の関係について報告した。
 はじめに、研究対象に選んだ近代新漢語の定義を示し、研究方法は文献調査と資料調査であることを報告した。
 次に、先行研究の概観を報告した。1980年代までの中国の先行研究では、近代で西洋の新知識・新概念を表すにあたり、日本語の漢語を受容したことが指摘された。1980年代までの日本の先行研究では、日中双方の伝来ルートが具体化された。1990年代の研究では、日中語彙交流の様相が明らかにされた。併せて、現代中国語における日本語由来の語彙の取り扱いについて、特に中国古典に用例のあるものに限って先行研究の分類の違いを報告した。
 そして、研究の一例として、日本語と中国語におけるPresident of the United States のPresidentに関わる翻訳語の語誌を文献資料別の訳語・用例とともに考察した。日本語「大統領」は先行研究の紹介にとどめ、先行研究にない中国語「总统」について、各文献資料を精査した結果を報告した。日本語の「大統領」はペリーが持参したフィルモアの親書漢文訳という創製が外来のものであったが、中国語の「總統」は史書からの転用語であること、また史書に用例のあったことが訳語の選好に影響したことを指摘した。
 最後に、近代漢語を見る視点として、海外知識の受容と翻訳から現代語へと定着するまでについての、知の営みの過程を提示した。
 報告後は、周所長からの有意義なコメント・アドバイスを頂き、また各研究員・RAの方々と活発な意見交換をすることができた。
 以上、本報告の経験を今後の研究に役立てたいと思う。


報告2:劉偉(ICCS RA)
テーマ:現代社会における茶事ー表千家事例からー

 本研究会では茶事という儀礼を通して人間と人間の関係、人間と物の関係を分析することを考えられる。茶事を行う亭主、呼ばれる客を観察し、茶事の流れ、そして、一つの会のために亭主が取り合わせ茶道道具を通して主客の付き合い、また、茶事という活動は現代日本社会の働きを分析することなどについて、発表させていただいた。その後で、たくさんのアドバイスをいただいた。特に周先生から、時間軸と空間軸の視点が大変なアドバイスをいただいた、先生のご意見をいただいてこそ、それからこの論文に対して、茶事の流れをもっとわかりやすく整理できたと思う。最後に、陳奥飛研究員質問ももっと茶事について考えたと思います。ですから、本研究はでは、大変勉強したと思いました。


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ICCS(International Center for Chinese Studies)について

文部科学省「21世紀COEプログラム」によって設立された愛知大学国際中国学研究センター(International Center for Chinese Studies:略称ICCS)は、本学大学院中国研究科博士課程を中核に、海外から招聘する世界レベルの学者を含む現代中国研究の国際的な研究・教育機関として、活動を行っております。

ICCSの研究における究極的目標は、伝統的な「中国学(Sinology)」にとどまらず、新たな学問分野として「現代中国学(Modern Sinology)」の構築に向けた努力を継続することにあります。これは日本発の世界的な取組みとなるでしょう。私たちは日本国内、中国をはじめとする世界の優れた仲間たちと、このための研究を進めています。

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