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第42回研究会

第一報告

  • 滕 媛媛(ICCS研究員):都市開発による失地農民の居住満足度について--中国南昌市を事例として

本報告では、都市開発による失地農民の居住満足度の変化と決定要因を検討した。分析の結果、半数程度の失地農民は、居住環境全体が改善されたと感じたが、悪化したと感じた住民も1割以上存在した。この中、最も改善されたのが教育環境であり、最も悪化したのは安全性であった。また、住宅所在階数と公共施設(教育施設以外)について不満を有する失地農民が多かった。さらに、失地農民の住宅満足度の規定要因は、一般住民(住宅を購入した住民)の場合と異なる。失地農民において、男性、高年齢層、同居者の中に65歳以上の高齢者がいる及び1階に居住している回答者の住宅満足度が低下する傾向が見られた。失地農民の居住満足度を向上させるため、地域の治安状況を高めることやより合理的な農房補償制度を制定し、失地農民が自由に居住を選択できるようになることが重要であると考えられる。
 報告後、高橋先生から、サンプリングの方法とその説明、方策の提示などについて、王研究員から参考文献、モデルの説明変数の選択について、戸川研究員から失地農民の生計状況及び土地収用に対する態度について、興味深い質疑とコメントがなされた。これに対し、報告者が応答し、さらに今後の展望などを述べた。


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ICCS(International Center for Chinese Studies)について

文部科学省「21世紀COEプログラム」によって設立された愛知大学国際中国学研究センター(International Center for Chinese Studies:略称ICCS)は、本学大学院中国研究科博士課程を中核に、海外から招聘する世界レベルの学者を含む現代中国研究の国際的な研究・教育機関として、活動を行っております。

ICCSの研究における究極的目標は、伝統的な「中国学(Sinology)」にとどまらず、新たな学問分野として「現代中国学(Modern Sinology)」の構築に向けた努力を継続することにあります。これは日本発の世界的な取組みとなるでしょう。私たちは日本国内、中国をはじめとする世界の優れた仲間たちと、このための研究を進めています。

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