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第37回研究会

報告

  • 田中 周(ICCS研究員):中国共産党による新疆の軍事統合

 本報告は、1949年から1950年代半ばにかけて中国共産党が進めた新疆統合のうち、軍事力によって領域の統合を目指す「軍事統合」の試みに焦点をあてて論じる。
 新疆における軍事統合のプロセスは大きく二つの段階に分けられる。第一段階は1949年10月の人民解放軍の新疆進駐にはじまる、新疆全域への軍事展開と部隊配備に至る過程である。新疆に進駐した人民解放軍第一野戦軍の第二軍および第六軍は、中国共産党に帰順を示した国民党軍および民族軍を糾合し、1950年早々に部隊の再編が行わることとなる。第二段階は1954年の生産建設兵団設置に至るプロセスであり、第一段階で新疆各地に配備された人民解放軍の一部を兵団へ改編する措置が取られた。この新疆生産建設兵団の設置が一連のプロセスの山場であり、これをもって中国共産党による新疆の軍事統合が完了したと論じた。
 報告を受けて高橋先生、各研究員、各RAから貴重なコメント・質問がなされ、活発な議論が交わされた。


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文部科学省「21世紀COEプログラム」によって設立された愛知大学国際中国学研究センター(International Center for Chinese Studies:略称ICCS)は、本学大学院中国研究科博士課程を中核に、海外から招聘する世界レベルの学者を含む現代中国研究の国際的な研究・教育機関として、活動を行っております。

ICCSの研究における究極的目標は、伝統的な「中国学(Sinology)」にとどまらず、新たな学問分野として「現代中国学(Modern Sinology)」の構築に向けた努力を継続することにあります。これは日本発の世界的な取組みとなるでしょう。私たちは日本国内、中国をはじめとする世界の優れた仲間たちと、このための研究を進めています。

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