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第36回研究会

報告

  • 田中 マリア(ICCSリサーチアシスタント):国際関係理論からみる東アジア地域秩序-過去を描写し、現在を解明し、未来を予測する-

 本報告は執筆中の博士論文「国際関係理論からみる東アジア地域秩序-過去を描写し、現在を解明し、未来を予測する-」に関する発表である。概要は次のとおりである。
 まず「序論」部分では先行研究を整理しつつ課題を明らかにした。博士論文では、国際関係理論の視点からみる「国際システム・地域システム」と「国際秩序・地域秩序」の二つの主な概念に基づいて議論を行うが、一般にこのような議論は四つのレベル(①社会科学の哲学、②国際関係学のメタ理論、③国際関係理論の諸学派、④地域主義論)に分けることができる。しかしこれらのレベルには欠点が存在し、その欠点を解決するために各レベル、各研究分野で分析を行い、地域秩序を再概念化する必要性を主張した。
 以上の問題関心に基づいて、第一章「地域秩序の再概念化―批判的/科学的実在論の導入」、第二章「過去を描写:近世東アジアの地域秩序」、第三章「現在を解明(1):東アジア秩序と近代性の哲学的言説 」、第四章「現在を解明(2):東アジア地域秩序の現状」、「結論:未来を予測する」の各部分の成果と構想を報告した。
 報告を受けて高橋先生、各研究員、各RAから貴重なコメント・質問がなされ、活発な議論が交わされた。


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ICCS(International Center for Chinese Studies)について

文部科学省「21世紀COEプログラム」によって設立された愛知大学国際中国学研究センター(International Center for Chinese Studies:略称ICCS)は、本学大学院中国研究科博士課程を中核に、海外から招聘する世界レベルの学者を含む現代中国研究の国際的な研究・教育機関として、活動を行っております。

ICCSの研究における究極的目標は、伝統的な「中国学(Sinology)」にとどまらず、新たな学問分野として「現代中国学(Modern Sinology)」の構築に向けた努力を継続することにあります。これは日本発の世界的な取組みとなるでしょう。私たちは日本国内、中国をはじめとする世界の優れた仲間たちと、このための研究を進めています。

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