若手研究会
第36回研究会
- 開催日
- 開催場所
- 厚生棟3階W31会議室
報告
- 田中 マリア(ICCSリサーチアシスタント):国際関係理論からみる東アジア地域秩序-過去を描写し、現在を解明し、未来を予測する-
本報告は執筆中の博士論文「国際関係理論からみる東アジア地域秩序-過去を描写し、現在を解明し、未来を予測する-」に関する発表である。概要は次のとおりである。
まず「序論」部分では先行研究を整理しつつ課題を明らかにした。博士論文では、国際関係理論の視点からみる「国際システム・地域システム」と「国際秩序・地域秩序」の二つの主な概念に基づいて議論を行うが、一般にこのような議論は四つのレベル(①社会科学の哲学、②国際関係学のメタ理論、③国際関係理論の諸学派、④地域主義論)に分けることができる。しかしこれらのレベルには欠点が存在し、その欠点を解決するために各レベル、各研究分野で分析を行い、地域秩序を再概念化する必要性を主張した。
以上の問題関心に基づいて、第一章「地域秩序の再概念化―批判的/科学的実在論の導入」、第二章「過去を描写:近世東アジアの地域秩序」、第三章「現在を解明(1):東アジア秩序と近代性の哲学的言説 」、第四章「現在を解明(2):東アジア地域秩序の現状」、「結論:未来を予測する」の各部分の成果と構想を報告した。
報告を受けて高橋先生、各研究員、各RAから貴重なコメント・質問がなされ、活発な議論が交わされた。