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第34回研究会

報告

  • 張 玲(ICCSリサーチアシスタント):日本の公害教育政策過程に関する考察

 2015 年7 月15 日に、ICCS 研究員及びRA の研究情報交流、研究の学び合いにより研究能力の向上のために、ICCS の所長である高橋五郎先生の指導の下で、ICCS 第6回若手研究会を実施した。 報告者の張玲は自分の研究課題である『日中環境教育政策の比較研究』の一環として、『日本の公害教育政策過程に関する考察』をテーマに研究報告を行った。
  1960-70 年代環境問題が深刻化していた日本において、「環境保護及び人間尊重」を基本とする日本の環境教育政策の確立過程を実証研究で分析した。研究結果としては当時日本の政策重心は経済・産業発展であり、政府は最初の段階で民間の要求を無視して、「環境と経済発展」との調和を提唱している環境教育政策を制定したが、野党・市民団体特にマスメディアの反対により政策方針を「環境保護・人間尊重」へと修正させた。この事例から中国でも新興メディア(ネインターネット)を通じて、情報発信・収集、意見表明によりネット世論を形成し、良い環境政策の制定に民主参加できる可能性を示された。
  参加者から大変良いコメントを頂き、本研究の欠如例えば日本における中央政府と地方政府の権力関係への分析が不足している、両国の政治・経済システムに対して細部にわたる分析が行ってない等の指摘があった。高橋先生は日本の公害政策の制定に関して、マスメディアに焦点を当てることを評価した上で、実証論証の手法及び分析枠組みがまた弱いことを指摘し、指導してくれた。
  今後はこういた指摘を念頭にいれ、研究内容の充実や欠如の補足を目指して研究を進みたい。


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ICCS(International Center for Chinese Studies)について

文部科学省「21世紀COEプログラム」によって設立された愛知大学国際中国学研究センター(International Center for Chinese Studies:略称ICCS)は、本学大学院中国研究科博士課程を中核に、海外から招聘する世界レベルの学者を含む現代中国研究の国際的な研究・教育機関として、活動を行っております。

ICCSの研究における究極的目標は、伝統的な「中国学(Sinology)」にとどまらず、新たな学問分野として「現代中国学(Modern Sinology)」の構築に向けた努力を継続することにあります。これは日本発の世界的な取組みとなるでしょう。私たちは日本国内、中国をはじめとする世界の優れた仲間たちと、このための研究を進めています。

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