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第23回研究会

報告

  • 平野孝治(ICCS研究員):中国の対外宣伝工作の現状と分析-中国中央テレビを事例に-

 近年、中国政府はマスメディアによる対外宣伝工作を強化している。特に中国の国営テレビ局である中国中央テレビは、2000年以降急速に発展している。外交の分野でソフトパワーの役割が注目される中で、中国政府は西側メディアの国際世論への影響力に対抗するために、中国中央テレビの英語放送のコンテンツを充実させようと改革に乗り出した。また、CNNやBBC等の西側メディアの情報量に追いつくために、取材網の拡大も行っている。今回は、中国政府の対外宣伝工作の政策内容と中国中央テレビの国際放送戦略の現状について報告を行った。
 中国政府は、「走出去」政策を提唱しているが、マスメディアに対しても「走出去」を加速させようとしている。中国政府は中国衛星電視長城平台(長城平台)を設置し、中国中央テレビだけではなく、省レベルのテレビ局のチャンネルもまとめて輸出することに成功している。その中でも、中国中央テレビの英語放送の輸出は、中国の対外宣伝工作の重要な政策道具と言える。しかし、中国中央テレビの英語放送が西側諸国の視聴者に受け入れられるかどうかは疑問視されている。このような中国の対外宣伝工作の実態と中国中央テレビの国際放送の現状について報告者から紹介された。


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ICCS(International Center for Chinese Studies)について

文部科学省「21世紀COEプログラム」によって設立された愛知大学国際中国学研究センター(International Center for Chinese Studies:略称ICCS)は、本学大学院中国研究科博士課程を中核に、海外から招聘する世界レベルの学者を含む現代中国研究の国際的な研究・教育機関として、活動を行っております。

ICCSの研究における究極的目標は、伝統的な「中国学(Sinology)」にとどまらず、新たな学問分野として「現代中国学(Modern Sinology)」の構築に向けた努力を継続することにあります。これは日本発の世界的な取組みとなるでしょう。私たちは日本国内、中国をはじめとする世界の優れた仲間たちと、このための研究を進めています。

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