若手研究会
第21回研究会
- 開催日
- 開催場所
- 435研究室
報告
- 佐藤敦信(ICCS研究員):中国における違法食品輸出防止策施行後の摘発状況と課題
中国においても輸出入食品に対する安全性保持の観点から、一定の検疫基準が設けられている。しかし、近年、中国における輸出検疫検査および輸出先である日本や米国における輸入検疫検査で、違法に輸出された中国産食品が摘発されるケースが多発している。そこで、国家質量監督検査検疫総局が施行した違法食品輸出防止策の内容と、同局の違反企業に関する資料をもとに、違法食品輸出防止策施行に伴う生産輸出企業の摘発状況と課題について報告した。
国家質量監督検査検疫総局が公表している違反企業リストをみると、依然として輸出検疫検査を受けていない企業が大部分を占めている。違法食品輸出防止策は全国一律の内容として指導され、違法食品輸出防止の徹底化を図ることを目的としているにもかかわらず、未だ生産輸出企業への徹底化が図られている状況とは言えない。中国産食品の輸出量は増加傾向にあり輸出先も多角化している。このことから、生産輸出企業への徹底化が図られていない事態は日本や米国だけではなく、より多くの輸出先へ波及することが推測される。本報告では、中国の輸出検疫検査方法およびその信頼性、米国や日本などの輸出先における輸入検疫検査の差異などに関する質問が提示された。