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第21回研究会

報告

  • 佐藤敦信(ICCS研究員):中国における違法食品輸出防止策施行後の摘発状況と課題

 中国においても輸出入食品に対する安全性保持の観点から、一定の検疫基準が設けられている。しかし、近年、中国における輸出検疫検査および輸出先である日本や米国における輸入検疫検査で、違法に輸出された中国産食品が摘発されるケースが多発している。そこで、国家質量監督検査検疫総局が施行した違法食品輸出防止策の内容と、同局の違反企業に関する資料をもとに、違法食品輸出防止策施行に伴う生産輸出企業の摘発状況と課題について報告した。
 国家質量監督検査検疫総局が公表している違反企業リストをみると、依然として輸出検疫検査を受けていない企業が大部分を占めている。違法食品輸出防止策は全国一律の内容として指導され、違法食品輸出防止の徹底化を図ることを目的としているにもかかわらず、未だ生産輸出企業への徹底化が図られている状況とは言えない。中国産食品の輸出量は増加傾向にあり輸出先も多角化している。このことから、生産輸出企業への徹底化が図られていない事態は日本や米国だけではなく、より多くの輸出先へ波及することが推測される。本報告では、中国の輸出検疫検査方法およびその信頼性、米国や日本などの輸出先における輸入検疫検査の差異などに関する質問が提示された。


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ICCS(International Center for Chinese Studies)について

文部科学省「21世紀COEプログラム」によって設立された愛知大学国際中国学研究センター(International Center for Chinese Studies:略称ICCS)は、本学大学院中国研究科博士課程を中核に、海外から招聘する世界レベルの学者を含む現代中国研究の国際的な研究・教育機関として、活動を行っております。

ICCSの研究における究極的目標は、伝統的な「中国学(Sinology)」にとどまらず、新たな学問分野として「現代中国学(Modern Sinology)」の構築に向けた努力を継続することにあります。これは日本発の世界的な取組みとなるでしょう。私たちは日本国内、中国をはじめとする世界の優れた仲間たちと、このための研究を進めています。

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