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第20回研究会

報告

  • 平野孝治(ICCS研究員):中国世論と西側諸国の対立構造について

 これまでの反日・反米の中国世論は、日中間あるいは米中間という二国間の対立が起源となっていたが、2008年のチベット騒乱では、中国対西側諸国、中国世論対西側諸国の世論という対立構造が見られた。特に中国国内では、西側メディアの報道を批判する言説が多くみられ、中国世論の西側メディア不信が鮮明に見られた。今回の研究会では、2008年のチベット騒乱を事例に、中国と西側諸国の対立過程と、中国国内で発表された西側メディア批判の内容、そして中国の国際世論を意識した対外宣伝の実態について報告を行った。
 中国では西側メディアを批判する文章がメディアに数多く掲載された。西側メディアの情報が国際社会で強力な影響を持ち得ている状況に危機感を懐いている中国政府は中国中央テレビの国際放送を強化し、更にはインターネットを利用した対外宣伝活動を積極的に行っている。しかし、西側諸国の一般市民がインターネットを通じて中国中央テレビのコンテンツを閲覧し、中国の主張を受け入れる可能性は高くないと思われる。中国の対外宣伝にはいくつかの問題点も存在する。このような中国の対外宣伝の実態と西側メディアの中国批判の構造について報告者から紹介された。


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ICCS(International Center for Chinese Studies)について

文部科学省「21世紀COEプログラム」によって設立された愛知大学国際中国学研究センター(International Center for Chinese Studies:略称ICCS)は、本学大学院中国研究科博士課程を中核に、海外から招聘する世界レベルの学者を含む現代中国研究の国際的な研究・教育機関として、活動を行っております。

ICCSの研究における究極的目標は、伝統的な「中国学(Sinology)」にとどまらず、新たな学問分野として「現代中国学(Modern Sinology)」の構築に向けた努力を継続することにあります。これは日本発の世界的な取組みとなるでしょう。私たちは日本国内、中国をはじめとする世界の優れた仲間たちと、このための研究を進めています。

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