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第14回研究会

報告

  • 平野孝治(ICCS研究員):「共産党機関紙の政治的役割と読者意識」

 共産党機関紙はかつて「党の喉と舌」と形容されるように、宣伝機関としての役割が重視された。しかし、市場経済の発達により、宣伝機関としての機関紙は、読者を意識した改革を迫られるようになった。共産党機関紙が政治的役割を発揮するためにも、読者を獲得しなければならないが、旧来の教義的な内容中心の記事構成では、共産党機関紙は読者を獲得できないだけではなく、存続すら危うい状況になってしまう。そこで、共産党機関紙は、「改版」を実施し、コラムを充実させたり、評論を増やしたりという工夫をし、さらには見易さ等も重視し始めた。しかし、中国のジャーナリズム論が示す「党性の原則」を巡る概念は、現在の機関紙にも備わっている。機関紙である以上、共産党の政策方針から逸れた議論を行うことは難しいのである。しかし、市民は、都市報や晩報等の大衆性の強い新聞を好む。共産党機関紙は、政治宣伝という本来の役割と読者を意識した改革との間でズレが生じ始めている。このような機関紙の大衆化と政治宣伝の現状について、報告者から紹介された。


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ICCS(International Center for Chinese Studies)について

文部科学省「21世紀COEプログラム」によって設立された愛知大学国際中国学研究センター(International Center for Chinese Studies:略称ICCS)は、本学大学院中国研究科博士課程を中核に、海外から招聘する世界レベルの学者を含む現代中国研究の国際的な研究・教育機関として、活動を行っております。

ICCSの研究における究極的目標は、伝統的な「中国学(Sinology)」にとどまらず、新たな学問分野として「現代中国学(Modern Sinology)」の構築に向けた努力を継続することにあります。これは日本発の世界的な取組みとなるでしょう。私たちは日本国内、中国をはじめとする世界の優れた仲間たちと、このための研究を進めています。

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