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若手研究会

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第11回研究会

第一報告

  • 閔海蘭(立命館大学経営学研究科院生):「日系製造業の対中投資とタックス・ヘイブン対策税制―来料加工を中心に―」

第二報告

  • 潘梓騰(立命館大学経営学研究科院生):「電子商取引における課税問題の再考察~無体資産、サービス提供 企業の視点から~」

今回は、立命館大学経営学研究科から二人の院生を招き、それぞれが取り組んでいる修士論文について、報告を行ってもらった。

第一報告は、閔海蘭氏の、香港子会社を経由して行う来料加工に対して、国税局がタックス・ヘイブン対策税制を適用したため、裁判所で争われたケースについての研究であった。日中間の直接投資の一形態として来料加工が行われているが、香港を経由した場合は、香港子会社の事業が何に当たるかが、タックス・ヘイブン対策税制適用の分岐点となることについて、日本で初めてこの件について出された判例を基に、議論が展開されていた。

第二報告は、潘梓騰氏の、電子商取引と課税の問題について、アリババグループを例に、どのようなケースで税が失われる可能性があるのかについて、OECDでの議論を踏まえて論点の整理を行った研究である。整理から、消費者(Consumer)が電子商取引の売り手、もしくは買い手となる場合に、課税関係が不安定になる点を明らかにするとともに、アリババグループなどの電子商取引を仲介する事業者が、課税を行う際のポイントとなることを指摘している。

いずれの研究も、細部でロジックが破綻していたり、表現が不適切であったりしたため修士論文としては未完成であるが、扱っているテーマに新規性があり、完成が楽しみな研究であった。

また、今回初めて他大学の院生が報告したが、若手研究者を中心とした他大学も含めた学術交流の場として、非常に有意義であった。今後も、機会を見てこのような取り組みをしていくことを確認した。


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文部科学省「21世紀COEプログラム」によって設立された愛知大学国際中国学研究センター(International Center for Chinese Studies:略称ICCS)は、本学大学院中国研究科博士課程を中核に、海外から招聘する世界レベルの学者を含む現代中国研究の国際的な研究・教育機関として、活動を行っております。

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