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第4回研究会

報告

  • 加治宏基(ICCS研究員):台湾の世界遺産登録申請政策―「和諧世界」の国内境界としての台湾―

 2005年、胡錦涛は国連総会で「和諧世界」を提唱し、同理論は外交スローガンにも応用された。他方で文化政策を重視する中国は、世界遺産政策を通じて民族間の調和と中華民族への統合を進めるが、台湾には世界遺産物件がない。これは「国連基準」から台湾を除外するとの同政府の政治判断であると論じた。同時に、台湾の行政院文化建設委員会が展開する世界遺産申請政策が、理念・制度の両面から内部破綻している点を論証した。 質疑応答では、「和諧」理論と世界遺産政策との関連が明瞭でないとの指摘の他、中国側の判断ではなく台湾を実行支配できていない現状や、世界遺産登録しても経済収益が見込めぬことが要因でないかとの可能性が提起された。


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ICCS(International Center for Chinese Studies)について

文部科学省「21世紀COEプログラム」によって設立された愛知大学国際中国学研究センター(International Center for Chinese Studies:略称ICCS)は、本学大学院中国研究科博士課程を中核に、海外から招聘する世界レベルの学者を含む現代中国研究の国際的な研究・教育機関として、活動を行っております。

ICCSの研究における究極的目標は、伝統的な「中国学(Sinology)」にとどまらず、新たな学問分野として「現代中国学(Modern Sinology)」の構築に向けた努力を継続することにあります。これは日本発の世界的な取組みとなるでしょう。私たちは日本国内、中国をはじめとする世界の優れた仲間たちと、このための研究を進めています。

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