若手研究会
第3回研究会
- 開催日
- 開催場所
- 本学名古屋校舎 435研究室
報告
- 宇都宮浩一(ICCS研究員):フェア・トレードにおける移転価格
貧困国・地域は一次産品の輸出国となっている場合が多いが、これと先進諸国・地域との貿易に関連して、フェア・トレード(公平貿易)という考え方が提示されている。フェア・トレードは、市場価格にプレミアを付加して一次産品生産者の実質所得を引き上げることで貧困の解決を図ろうとするものである。これについて、フェア・トレードの価格決定メカニズムが多国籍企業で多用されている「移転価格」と同様の仕組みではないかという指摘が報告者よりなされた。これに対して、フェア・トレードは、社会運動としての側面が強く、実態調査などは可能であろうが経済学的なアプローチを行うには難しい点が多いとの指摘がなされた。また、フェア・トレードの主体の一つである流通企業について、これを積極的に推進している企業への調査が有効ではないかという指摘があった。