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第2回研究会

報告

  • 加治宏基(ICCS研究員):『和諧』論の境界―国際政治学の視点から

 国連システムにおいて”development”という概念は、「開発」から「発展」へと展開・熟成された。その結果として国連開発計画は、1994年に「人間の安全保障」という開発理念を提起する。本報告では、この環境変化(入力)と中国政府による「和諧」論の政策決定(出力)との関連について、D.イーストンの政治システム論を応用することで検証を試みた。中国の改革開放路線を支えた「小康」から人間を中心とする「和諧」への論理展開は、「開発」から「発展」への変容を反映する。一方で、科学的発展観を謳う政治目標としての「和諧」論の脱科学性については、注意を要すとの指摘があった。つまり、「和諧」論の理論的・物理的境界は、科学に裏付けられるものでなく、政治判断に委ねられている。


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ICCS(International Center for Chinese Studies)について

文部科学省「21世紀COEプログラム」によって設立された愛知大学国際中国学研究センター(International Center for Chinese Studies:略称ICCS)は、本学大学院中国研究科博士課程を中核に、海外から招聘する世界レベルの学者を含む現代中国研究の国際的な研究・教育機関として、活動を行っております。

ICCSの研究における究極的目標は、伝統的な「中国学(Sinology)」にとどまらず、新たな学問分野として「現代中国学(Modern Sinology)」の構築に向けた努力を継続することにあります。これは日本発の世界的な取組みとなるでしょう。私たちは日本国内、中国をはじめとする世界の優れた仲間たちと、このための研究を進めています。

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